「汗が止まらない」「汗ジミや体臭が気になる」といった症状は、極めてセンシティブなお悩みです。また「自身の症状はたいして重くないのではないか」「気にしすぎではないか」と躊躇され、一人で抱え込んでしまう方は少なくありません。
しかし、原発性局所多汗症診療ガイドラインが示す通り、治療において最も本質的なのは他者と比べた汗の量や重症度ではなく、「ご自身がどれだけ困り、生活の質(QOL)が損なわれているか」という点です。治療の目的もまた、単に症状を抑えることではなく、本来の快適な日常生活を取り戻すことにあります。
そのため私は、診察の中で「対話」を重視しています。もともと日本人は匂いに敏感な文化的背景もあり、ワキ汗やワキガは患者様にとってセンシティブな上に複雑な悩みです。腋窩多汗症腋臭症外来という専門外来を設立した理由の一つでもありますが、お悩みや生活環境を専門的に整理すると、「実は周りを気にする必要はない状態だった」と納得され、治療に至らずとも満足される患者様もいらっしゃいます。
一方、治療を希望される場合には、患者様と共に方法を検討します。現在は、塗り薬から根本的なアプローチまで、様々な治療選択肢があります。それぞれにメリット、デメリットがあるため、「費用」「生活への影響(ダウンタイム)」「求める効果」など、治療において何を重視されるかをお聞きするようにしています。
ワキ汗やワキガの悩みは医療機関で治療が可能です。そして、日常の困りごとを改善できる可能性があります。迷ったら、まずは気軽に皮膚科や形成外科に相談してください。