ほくろ・いぼ

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【医師監修】私のイボはどんな原因でできたの?種類や美容医療での除去方法もご紹介

監修医師:花房 崇明 先生(千里中央花ふさ皮ふ科 理事長・院長 / 皮膚科専門医)

ふと鏡をみたら、いつの間にかイボができていた…なんて経験はありませんか?特に顔や首まわりなど、目につきやすい場所のイボは気になってしまいますよね。しかし、イボの原因や治療についてはあまり知らないという方も多いかもしれません。

今回は、イボができる原因や種類、そして美容医療で行える治療方法についてご紹介します。

監修:花房 崇明 先生(千里中央花ふさ皮ふ科 院長 / 皮膚科専門医)

1.イボの原因と主な種類

イボは大きく2種類に分けられます。ひとつはウイルス感染が原因でできる「ウイルス性のイボ」、そしてもうひとつは「日常生活でできるイボ」です。まずは、それぞれのイボの大まかな原因をみていきましょう。

1-1.ウイルス性のイボ

一般に皮膚科で診察されるイボは、ウイルス性のものがほとんどで、お子さんのように免疫が未発達だったり、乾燥などで皮膚のバリア機能が低下しているとできやすくなるとされています。ここでは大きく分けて2種類のウイルス性イボについて紹介します。

1-1-1.ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)

代表的なのが、「ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス:HPV)」を原因とするイボで、皮膚にできた小さな傷口からウイルスが入り込むことで発症すると考えられています。外傷を受けやすい手足や、外陰部にできやすいイボですが、手あれや髭剃りによって目にはみえない傷ができていて、そこから感染するケースもあります。

また、HPVにはたくさんの種類があり、種類によってイボのできる部位や形状が違ってきます。主にHPVを原因とするイボとしては、石イボと呼ばれる尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、ミルメシア、青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)、尖圭コンジローマがあります。

1-1-2.伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス)

水イボとも呼ばれる「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」は、子どもに多くみられるウイルス性のイボです。ポックスウイルスの一種である伝染性軟属腫ウイルスの感染によって発症し、伝染力が強く、プールや浴場での接触感染が多いといわれています。

特にアトピー性皮膚炎の子どもにできやすいといわれており、掻きむしることでウイルスが周辺の皮膚にまき散らされ、水イボが広がることも少なくありません。

1-2.日常生活でできるイボ

日常生活でできるイボは、紫外線の影響や摩擦などの刺激や加齢で発生するといわれています。ここでは日常生活でできてしまうイボの種類について紹介します。

1-2-1.脂漏性角化症(老人性イボ)

老人性イボとも呼ばれる「脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)」は、中年以降に多くみられるイボです。長年の紫外線の影響や皮膚の加齢が原因と考えられており、特に顔や手、腕など日光に当たる場所にできやすいという特徴があります。また、老人性のシミ(老人性色素斑・日光黒子)が進行して老人性イボになることが多いです。

1-2-2.軟性線維腫(スキンタッグ、アクロコルドン)

首イボや中年イボとも呼ばれる「軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)」は、首まわりやデコルテにぽつぽつとできるタイプのイボです。スキンタッグ、アクロコルドンとも呼ばれています。

1~3ミリ程度の米粒状の柔らかいイボで、褐色や皮膚に近い色をしており、首以外にもわきの下や胸、鼠径部など衣服などの摩擦が起きやすい場所に多くみられるという特徴があります。紫外線の影響や加齢、摩擦などの刺激、肥満などによってできるといわれていますが、明確な原因はわかっていません。

2.イボと勘違いしやすいもの

イボと混同されやすいものとして、「タコ」と「ウオノメ」があります。これらはイボと見た目やできる場所が似ていますが、ウイルスや紫外線、加齢などを原因とするイボとはまったく別物です。ここでは、タコとウオノメの特徴についてお伝えします。

2-1.タコ(ベンチ)

タコ(ベンチ)は、皮膚の一部に繰り返し刺激や圧力が加わることで、角質層が厚くなるものです。足の裏以外にも、座りダコやペンダコなどのように、その人の職業や生活習慣、癖によって体のあちこちにできます。

刺激を受けた部分は全体の皮膚が少し黄色味を帯びて、厚く硬くなって盛り上がった状態になります。圧迫しても痛みがないことが多く、特に支障がなければ治療の必要はありませんが、痛みや赤みを伴う場合は細菌感染を起こしている可能性があるため、早めに皮膚科を受診しましょう。

2-2.ウオノメ(鶏眼)

ウオノメ(鶏眼)は、足の裏などにできる直径5~7mm程の皮膚が硬くなった状態です。タコとは異なり、歩行や圧迫により激しい痛みを伴います。

また、硬くなった皮膚が根っこのように伸びて芯ができるのが特徴で、治療ではこの芯の部分を取り除くことが必要になります。ウオノメの部分をふやかして除去するような薬やハサミやメスやカミソリで抜き取る治療方法があります。

3.皮膚科・美容皮膚科で行うイボ除去の方法

気になっていつも触ってしまう、首まわりが開いた服が着られないなど、悩みの種となるイボですが、効果的な対処法がわからず、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。ここでは、皮膚科・美容皮膚科で行う具体的なイボの治療方法についてお伝えします。保険適応になるか保険適応外になるかは各病院・クリニック施設の医師の診断、判断によります。

3-1.液体窒素による凍結凝固法

液体窒素は−196℃にも達する超低温の液体です。これを綿棒に染み込ませたり、専用のスプレーで噴霧して、ウイルスに侵されたイボを急激に冷やすことで凍傷を起こさせ、皮膚の表面を壊死させます。そして、皮膚のターンオーバーによって新たな皮膚が再生することで、イボの原因を絶っていきます。凍傷部分の経過を観察しながら、かさぶたがなくなった後でもイボが残っていれば再度冷却を行います。治療には痛みを伴うほか、凍傷を起こすため、術後に炎症後色素沈着でシミになることもあります。

3-2.ピンセットによる切除

小さな水イボなどをイボ切除用の特殊なピンセットで切除していきます。ハサミで切ることもあるため、麻酔を行うこともあります。切除した後に傷ができるため、経過観察が必要です。

3-3.薏苡仁(ヨクイニン)による内服療法

薏苡仁(ヨクイニン)は、肌あれ、肌のキメの乱れ、イボが気になる場合に用いられてきた生薬漢方です。ハトムギの皮を除いた種の部分を用いており、消炎作用や体の水分バランスを整える作用があるといわれています。皮膚科・美容皮膚科でも、ウイルス性のイボの内服治療薬として処方されていますが、脂漏性角化症(老人性のイボ)への効能はありません。治療の効果があらわれるまで時間がかかるため、経過をみながら定期的な通院が必要です。

3-4.レーザー(CO2レーザー)

レーザー(CO2レーザー)は盛り上がったホクロやイボ、シミを取り除く治療です。肌の奥深くの組織やまわりの皮膚に余計なダメージを与えないため、ピンセットやメスによる切除に比べ傷痕・瘢痕になりにくいという特長があります。保冷剤で冷やしたり、局所麻酔を行ってから、イボにピンポイントでレーザーを照射して削り取るため、治療後に患部が炎症後色素沈着でシミになるのを最小限に抑えることができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。イボにはウイルス性のものと日常生活でできるものがあり、それぞれに適した治療方法があります。イボのないきれいな肌をつくるためには、まずは規則正しい生活やしっかり保湿したり、日焼け止めを塗るなどの正しいスキンケアでイボを予防すること、そしてイボができてしまったときは自己判断せず、適切な治療を受けることが大切です。

首イボについては、こちらの記事でも紹介しています。

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