脱毛

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【医師監修】クリニックで脱毛ができるって知っていますか?メリット・デメリットも合わせて紹介

監修医師:奥村 千香 先生(おくむらクリニック 副院長 / 形成外科専門医)

ムダ毛が気になり、脱毛サロンやエステで、ムダ毛の処理を検討している人もいるのではないでしょうか。実はクリニックでも、脱毛ができるのをご存じですか?
この記事では、毛が生える仕組みから、クリニックでの脱毛の仕組み、メリット・デメリット、エステサロンとの違いについてご紹介します。

監修:奥村 千香 先生(おくむらクリニック / 形成外科専門医)

 

1.体毛が生える仕組み

体毛は、皮膚から出ている「毛幹」と皮膚の中に存在する「毛根」に分けられます。毛根は「毛包」という組織に覆われ、根本が球状になっています。その球状部分を「毛球」と言い、その中に「毛乳頭」があります。毛乳頭は、血液から運ばれる栄養分を取り込んで、毛球内にある「毛母細胞」と呼ばれる細胞に届けます。栄養分を受け取った毛母細胞が分裂を繰り返すことで、毛が成長します。

体毛は、生えて抜けるという過程を繰り返しています。体毛が生えてから抜ける周期を『毛周期』と言います。この『毛周期』の中には「成長期」「退行期」「休止期」があります。

「成長期」とは、毛母細胞が活発に細胞分裂を行う時期です。細胞分裂が活発になると、毛球が作られ、血液によって運ばれてくる栄養分を毛球が取り込み、体毛が皮膚の外側まで伸びていきます。「退行期」は、体毛の成長が止まる時期です。この時期は、毛乳頭から体毛が離れて毛穴に残っているだけの状態です。「休止期」は体毛が抜け落ちる時期です。

「毛周期」は「成長期」→「退行期」→「休止期」→「成長期」というように、体毛が生える、抜けるを繰り返してしているのです。

 

2.体毛の役割

肌を見せるとき、体毛が気になることがありますよね。一般的にはムダ毛とよく言われますが、決してムダに生えているわけではありません。ここでは、体毛の3つの役割について解説します。

2-1.バリア機能

体毛は、体を保護するという役割を持っています。例えば、髪があることで頭をぶつけたときの衝撃が和らぐ。まつ毛は目にゴミが入るのを防ぐ。鼻毛は空気中のウイルスやゴミを吸い込まないようフィルターの役割をしている。陰毛は大切な生殖器を保護する役割があります。

2-2.体温調節機能

体毛には、体温を調節する役割があります。人間が服を着ていなかった時代、体毛は身体をの体温を維持する働きがありました。現在は、衣服を着て体温調節を行うようになり、体毛の体温調節機能は必要なくなりました。

2-3.触覚機能

体毛には、触覚の役割もあります。体毛は毛包内で作られ、そこに神経の末端部分が接触しています。体毛に何かが触れると、毛包の神経に体毛の振動が伝わるため、「何かに触れている」と感じることができるのです。

 

3.脱毛の仕組み

体毛には、前述した通り、『毛周期』があり、「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返します。「成長期」にレーザーを照射すると、毛根にあるメラニンに反応し、脱毛効果が得られます。逆に「成長期」ではない時期に脱毛を行っても、脱毛効果は低いといわれています。
ですので、1度脱毛を行っても永遠に体毛が生えてこなくなるわけではありません。「休止期」だった毛が『成長期』に代わったタイミングで脱毛を行っていく。これを繰り返していくことで脱毛を進めていくことができるのです。

 

4.クリニックで行える脱毛方法とは

クリニックで受けられる脱毛には、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、クリニックで行っている脱毛の種類、特徴、メリット、デメリットについて解説します。

4-1.針脱毛

針脱毛は毛の生えている毛穴一つ一つに針を挿入して、電気を流し、1本ずつ毛根を焼いて破壊する脱毛方法です。

4-2.光脱毛

光脱毛は「インテンス・パルス・ライト(IPL)」という光で脱毛を行います。毛根にあるメラニンに作用し、毛根を弱らせる脱毛方法です。

4-3.レーザー脱毛

レーザーは、毛根にあるメラニンに、光よりもしっかりと反応させることができるため、太い毛や深くから生えている毛にも反応し、短期間で脱毛が完了します。使用されるレーザーには、「ダイオードレーザー」「アレキサンドライトレーザー」「Nd:YAGレーザー」などがあります。

4-4.脱毛の方法や特徴

クリニックでは、レーザー等により、毛が生える源である毛根を破壊する等、高い効果が得られる脱毛を受けることができます。皮膚内部の組織を破壊する行為ですので、やけど等の皮膚トラブルが起きるおそれもありますが、万が一トラブルが起きた際も直ちに医師の診断、診療を受けることができます。
一方、エステでは、光を照射すること除毛・減毛を行うことができますが、医療行為に該当しないレベルでの施術しか行うことができません。

クリニックで行われている光脱毛・レーザー脱毛は、メラニンに反応し毛包全体にダメージを与えることで、脱毛効果を得ています。そんな効果が強い医療脱毛でも、残念ながらメラニンが少ない産毛や白髪のような毛質では、脱毛効果が得られにくいといわれています。

4-5.医療脱毛のメリット

医療脱毛のメリットには、以下の3つがあります。

①毛の生える元となる細胞を破壊し毛が生えにくくなる
②レーザーには様々な種類があるので、医師がその人にあった機種を選ぶことができる
③万が一やけどなどのトラブルがあった場合でも、医師に診てもらえる

4-6.脱毛時のデメリット

医療脱毛だけでなく、脱毛を受ける際には、以下のデメリットがあることを知っておきましょう。

①やけどや炎症などを起こすリスクがある
②脱毛後にニキビに似た赤いプツプツ(毛嚢炎)ができるリスクがある
③照射部位に色素沈着が起こる可能性がある
④産毛の硬毛化や増毛化

4-7.脱毛期間中に気をつけることはあるの?

脱毛を行っている最中は、以下のことに気をつけるようにしましょう。

➀脱毛する部位は十分に保湿をする
➁日焼けをしないようUV対策はしっかり行う
③毛抜きで毛を抜かない
④かみそりを使用する場合は、肌を傷つけないように注意する(電気シェーバーを使用する、かみそりを使用するときは石鹸やジェルも使用する)
⑤ごしごし擦らない

毛抜きで毛を抜かないようにするのは、せっかくレーザーを当てても毛がない状態ではレーザーでも反応しないからなのです。また脱毛した肌は、ダメージを受けやすい状態になっています。施術前後にはしっかりと保湿することで、肌のダメージを軽減します。皮膚は紫外線の影響を受けやすいので、UV対策をかならず行いましょう。とにかく脱毛後の肌を守るためには、肌の刺激になるようなことは避けることが重要です。優しく扱いましょう。

4-8.エステ脱毛との違い

エステ脱毛と、クリニックで行う医療脱毛の最も大きな違いは、施術の際に使われる機器です。

医療脱毛では、レーザーなどの医療機器を用いて脱毛施術を行います。医療脱毛で使用される機器は医療機器のため、エステサロンでは使用することができません。一方、エステサロンで使用される機器は、医療機器による医療脱毛と比べると出力が弱く設計されていて、一時的な除毛・減毛など、医療行為に該当しないレベルの施術しか行うことができません

脱毛が原因の毛嚢炎については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

【医師監修】脱毛が原因の毛嚢炎を予防するには?早く治す方法と脱毛後にやってはいけない行動

5.まとめ

医療脱毛は、医療機器を使用して脱毛を行っているため、高い脱毛効果が期待できます。医療脱毛で使用する医療機器は高出力のため、やけどなどのトラブルが起こる可能性がゼロではありません。しかし、施術中や施術後に皮膚トラブルが起こってしまっても、すぐに医師による適切な処置を受けることができます。

脱毛を考えている人は、脱毛のメリット、デメリットをふまえて、クリニックでの脱毛もぜひ検討してみてください。

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