シミ・美白

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セルフケアではシミを消すことができない?!美容医療で用いられる治療法を紹介!

監修医師:内田 敬久 先生(うちだ皮膚科クリニック 院長 / 皮膚科専門医)

日々のスキンケアでシミのケアをされている方も多いと思います。しかし、セルフケアではなかなかシミが消えないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんなシミの治療について、美容医療ではどんな対処方法があるのか、医薬品の成分や医療機器についてご紹介いたします。

監修:内田 敬久 先生(うちだ皮膚科クリニック 院長 / 皮膚科専門医)

 

1.セルフケアでシミを消すことはできない

結論から言ってしまうと、セルフケアでシミを消すことはできません。セルフケアの主な目的を大きく分けると、①悪化させない②新しいシミを作らない③美容医療の治療効果をサポートする、という3点です。

またシミのように見えるものでも、実際にはシミではないものも存在します。例えば、太田母斑と呼ばれる青あざや、皮膚癌などで、普段の化粧品によるスキンケアでは根本的な解決にはなりません。

そのため、まずは自分のシミがどんな性質を持つものなのか、美容医療の専門医に診断してもらうことが重要です。そうすることで、シミの種類を特定することができるだけでなく、シミの再発予防にもつながります。

 

2.シミを薄くする有効成分とは?

美容医療の現場でも用いられる美白成分について、いくつかご紹介します。

2-1.ハイドロキノン

ハイドロキノンは、シミの原因となるメラニン色素を生み出す細胞に働きかけて、メラニンを形成する酵素であるチロシナーゼの生成を抑える効果があります。また、現時点で目立っているメラニンを減少させることもできるので、シミ・肝斑・くすみなどにも効果があります。

ハイドロキノンは、美容医療で処方される医薬品の1つで、化粧品への配合も認められていますが、医薬部外品には配合できない成分です。

2-2.レチノイン酸(トレチノイン)

レチノイン酸は、肌のピーリングや再生効果のあるビタミンA(レチノール)の誘導体です。ビタミンAの約50~100倍の効果があるといわれています。

米国では、シワやニキビの治療医薬品として、FDAに認可されており、多くの美容皮膚科治療に使用されています。肌の再生効果によるターンオーバーを促し、シミが垢となって剥がれ落ちます。肝斑の治療にも用いられることが多く、高い効果が期待できる成分です。

2-3.ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体は、ニキビの色素沈着の防止や色素細胞が生み出すメラニンを抑えるといった働きがあります。

ビタミンCだけでは、酸化しやすく非常に不安定なため、成分として肌に浸透しやすくしたものがビタミンC誘導体で、ビタミンCに比べて皮膚への吸収率や持続時間が高くなっています。

2-4.L-システイン

L-システインは、アミノ酸の1つで、肝臓の解毒作用や皮膚の代謝に関係している成分です。色素細胞による皮膚の色素沈着に関係するメラニン色素の産生を抑える働きや、ターンオーバーを促すことで体外への排出を促進する作用があります。シミ、そばかす、日焼け、かぶれなどの対策として他の成分と併用されることもあります。

2-5.トラネキサム酸

トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸の一種で、炎症を引き起こす色素細胞の活性化「プラスミン」を抑制する働きがあります。シミの中でも主に肝斑の治療で用いられることが多いです。また、シミの治療だけでなく、湿疹や口内炎を治療する薬などに幅広く使われています。

2-6.コウジ酸

コウジ酸は、1907年に日本で発見され、お酒や発酵食品の製造過程でできる麹の中に含まれているコウジ菌がつくり出す成分です。シミやそばかすの原因となるメラニンを生成するチロシナーゼの酵素の働きを抑えることで、シミを生み出しにくくします。

他にも黄ぐすみやAGEsの産生を抑える抗糖化作用があることも明らかにされており、市販の化粧水にも含まれていることが多い成分です。

2-7.プラセンタエキス

プラセンタエキスは、動物の胎盤から抽出された成分で、メラニン産生抑制作用の他にも、皮膚柔軟による保湿作用、抗酸化作用、線維芽細胞増殖作用などがあります。美容医療では、注射で使用されることの多い成分です。

2-8.グリコール酸

グリコール酸は、ケミカルピーリング剤などにも用いられている成分です。皮膚表面にある角質を柔らかくして古い角質を剥がし、皮膚の新陳代謝を活性化させる働きがあります。

 

3.シミを治療するために用いられる医療機器

セルフケアでシミを消すことはできないため、治療を受ける必要があります。ここではシミの治療に用いられる方法や仕組みをご紹介します。

3-1.イオン導入

イオン導入は、皮膚に微弱な電流を流すことで、コットンや手で塗るだけでは浸透しにくい水溶性の美容成分を肌の深部まで効率よく届けることが可能な治療です。粒子の小さいビタミンC誘導体やプラセンタ、トラネキサム酸などを導入するのに適しています。他にも加齢によってターンオーバーが乱れた肌にも浸透しやすいように促してくれます。

3-2.エレクトロポレーション(電気穿孔法)

エレクトロポレーション(電気穿孔法)は、電気の力を利用して一時的に皮膚に小さな穴を開け、効率よく美容成分を肌の深部に浸透させる治療です。イオン導入では難しい粒子の大きいヒアルロン酸なども導入することができ、成分浸透率はイオン導入の20倍といわれています。

3-3.光治療(IPL)

光治療(IPL)は、単色光のレーザーとは異なり、幅広い波長の光を照射する治療です。シミ部分のみだけではなく、顔全体に照射する為、肌トラブルの原因であるメラニン色素にダメージを与え、シミやそばかす・くすみなどの肌に関する悩みを総合的にケアします。

照射直後は、一時的にシミ部分に赤みが生じたり、ほてりを感じたりする場合もありますが、翌日からシミ部分に薄いかさぶたができ、1週間程度で自然に剥がれていきます。これによりシミになっていた部分が排出されます。月に1回、複数回治療で徐々にシミを薄くする治療です。

3-4.レーザートーニング

レーザートーニングは、非常に弱いパワーで医療用レーザーを複数回照射することによって、肌に余計な負担をかけることなく、滞留しているメラニン色素を徐々に排出させる治療です。

治療後は肌が敏感になっていますが、適切なスキンケアを行えば治療後すぐにメイクが可能で、気軽に治療を受けられます。

3-5 .Qスイッチレーザー

Qスイッチレーザーは、メラニン色素の吸着率が高い波長を持つレーザーでシミ・あざの色素疾患に効果的です。高いパワーのレーザー光で肌内部にあるメラニン色素を破壊し、

Qスイッチレーザーには、「ルビー」「アレキサンドライト」「ネオジウムヤグ(Nd:YAG)」という鉱石を用いた3つの種類のレーザーがあります。いずれもさまざまなシミやあざにも対応しています。治療方法や用いるレーザーの種類は医療機関によって異なるため、担当医からの説明を受けることが大切です。

レーザーによるシミ治療について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。↓

「美容医療を受けるなら知っておきたい基礎知識⑥なんでレーザーでシミが取れるの?」
https://hajimete-biyou.jmec.co.jp/%e7%be%8e%e5%ae%b9%e5%8c%bb%e7%99%82%e3%82%92%e5%8f%97%e3%81%91%e3%82%8b%e3%81%aa%e3%82%89%e7%9f%a5%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8a%e3%81%8d%e3%81%9f%e3%81%84%e5%9f%ba%e7%a4%8e%e7%9f%a5%e8%ad%98%e2%91%a5/

 

4.まとめ

シミへの有効成分や医療機器を用いることでセルフケアでは行えないシミ治療ができます。ここまで読んでみて自分の悩んでいるシミにはどんなものが使えるのか知りたくなった方は、まずは美容医療を受けられるクリニックを受診し、担当医からの治療プランを見てみましょう。

 

参考図書

美容皮膚科ガイドブック 第2版:川田 暁
美肌成分事典:かずのすけ、白野実

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