誰もがあこがれる、ハリや透明感のあるお肌。
でも、毛穴が開いていたり、黒ずんで目立っていたりすると、あこがれのお肌にはなかなか近づけません。
特に女性の場合、毛穴を隠そうとしてメイクを厚塗りにしてしまうと、メイク崩れが起きたり、毛穴にメイクや皮脂汚れが溜まって肌トラブルの原因になったりする場合があります。
今回は正しい毛穴ケアについてご紹介します。普段行っている毛穴ケアが、実はよけいに毛穴を目立たせる原因になっているかもしれません。正しい毛穴ケアを知って、毛穴の目立たないハリや透明感のある肌を目指しましょう。
監修:田中 亜希子 先生(あきこクリニック 院長 / 日本美容外科学会認定専門医)
1.毛穴の役割とは
肌の表面には、皮溝(ひこう)と呼ばれる溝が網目状にあります。その網目状に走った皮溝の交点にある、毛の出口となる部分を毛穴と言います。毛穴の奥には皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する場所があり、毛穴は皮脂を肌表面に出す役割があります。
毛穴から出た皮脂は、汗と合わさると肌を潤すための皮脂膜となります。皮脂膜は肌の細胞に含まれる水分の蒸発を防ぎ、肌の表面を弱酸性に保って細菌が増えないように皮膚を守る働きがあります。
また、毛穴には立毛筋が付着しており、寒いときなどに毛穴を収縮し鳥肌を立てることで、毛穴を閉じて体温を逃がさないようにする働きがあります。毛穴は肌の潤いや健やかさを守るだけでなく、体温調節をする役割も持っているのです。
2.毛穴が目立つ主な原因
顔の毛穴が開いて黒ずんでいると、とても目立ちますよね。毛穴は顔だけでなく、全身のいろいろな場所に存在しています。しかし、すべての毛穴が開いて目立っているわけではなく、主に顔の毛穴の開きが目立つ傾向にあります。
なぜ、顔の毛穴は開きやすく目立ってしまうのか、ここでは毛穴が目立つ主な原因についてご紹介します。
2-1.皮脂の過剰な分泌
皮脂の過剰な分泌は毛穴を開かせる原因となり、毛穴が目立つことにつながります。
皮脂は、特に10代の思春期から20代前半に多く分泌され、主にTゾーン※を中心に分泌されます。顔の毛穴の皮脂腺は身体の毛穴の皮脂腺よりも大きいため、皮脂が出やすく広がりやすいのが毛穴の目立つ原因のひとつです。
また、皮脂が過剰に分泌されると、角栓と呼ばれる毛穴のつまりができます。これが物理的に毛穴を押し広げるため、毛穴が目立つことがあります。毛穴が開いたままになると、肌に小さなくぼみができているような状態になり、さらに角栓がつまりやすくなるといった悪循環を起こし、毛穴が目立つ原因になります。
それに加えて、過剰な皮脂が空気に触れて酸化すると、毛穴に黒ずみが生じます。黒ずみは鼻のような高さがあり、空気に触れやすい部分に多くみられ、毛穴が目立つ原因です。
※Tゾーン…おでこから鼻にかけての部分を指し、そこがT字になっていることからTゾーンと呼ばれています。
2-2.加齢による毛穴のたるみ
加齢により、肌のハリや弾力が低下すると、毛穴まわりの皮膚が毛穴に落ち込むような状態になります。その際に毛穴が開いて見えるため、毛穴が目立つことがあります。
20代後半以降になると皮脂の分泌がある程度落ち着きますが、肌の乾燥を起こしやすくなります。また、睡眠不足などの影響によるホルモンバランスの乱れ、ストレスの増加により、肌のターンオーバーが乱れます。
ターンオーバーが乱れると、古い角質が肌に蓄積されて肌の潤いが減少し、さらに乾燥を引き起こすことになります。乾燥はシワやたるみの原因となり、たるみによる肌のハリ、弾力の低下がどんどん毛穴の開きを目立たせることにつながります。
毛穴の黒ずみについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
3.NGな毛穴ケアの方法
毛穴のつまりや汚れが目立つと、気になるあまりついケアに力が入ってしまいますよね。しかし、ケアに力を入れているつもりでも、NGな方法で行っていると、さらに毛穴が広がり目立つ原因になりかねません。ここでは、NGな毛穴ケアの方法についてご紹介します。
3-1.角栓を無理やり除去する
毛穴に角栓がつまっていると、誰しも取り除きたいと思いますよね。しかし、手で押し出したり、はがして角栓を除去するタイプのパックを使ったりするケアは、NGです。
手で押し出すと肌を傷つけてしまい、肌に炎症を起こして肌トラブルの原因になります。
はがして角栓を除去するタイプのパックは吸着力が強いので、肌に炎症を起こしたり、肌への過度な刺激によって、ターンオーバーが乱れたりする可能性があります。ターンオーバーの乱れは肌の乾燥につながるので、よけいに皮脂が分泌され、角栓のつまりや毛穴の汚れがひどくなってしまいます。
3-2.ゴシゴシと擦るような洗顔
毛穴が気になるからと言って、力を入れてゴシゴシと擦るような洗顔をするケアは、NGです。擦るような洗顔は、肌の刺激となり肌のターンオーバーを乱す原因になります。
角栓を無理やり除去するケア方法と同様に、肌刺激によるターンオーバーの乱れは、肌の乾燥を招き、よけいに皮脂が分泌されてしまいます。過度な皮脂の分泌は、毛穴の開きや汚れにつながるので、洗顔時に擦らないように注意しましょう。
4.正しい毛穴ケアの方法
自分の行っているケアが、NGな毛穴ケアに当てはまっていたという人は多いのではないでしょうか。毛穴は正しくケアを行えば、目立たなくすることが可能です。正しい毛穴ケアの方法を知り、毎日行うようにしましょう。
ここでは、正しい毛穴ケアの方法をご紹介します。
4-1.洗顔方法の見直し
洗顔を朝晩しっかり行っていても、皮脂の出やすいTゾーンや鼻まわりは凹凸があり、洗い残しやすいため、皮脂が残っている可能性があります。洗顔は、以下の方法で正しく行いましょう。
<正しい洗顔方法>
1. 手のひら、またはネットを使用し、泡に弾力を感じるまで、洗顔料をしっかり泡立てる。
2.肌を直接擦ることがないように、泡の弾力を利用して優しく洗う。
3.ぬるま湯ですすぐ。Tゾーンや鼻まわりは洗い残しが起こりやすいので、意識してしっかりとすすぐ。その際、肌を擦らないように注意する。
4.タオルは、吸水性のよいものを使用し、肌を擦らないように押さえるようにして拭く
余分な皮脂を落とすためには、泡の弾力で洗うこと、洗い残しをしないことが大切です。泡で洗顔することに時間をかけるのではなく、すすぐことに時間をかけるようにして洗い残さないように気をつけましょう。
4-2.お化粧後のクレンジングをしっかり行う
疲れているからといってメイクをしたまま寝るのは、肌に大きな負担がかかるので、必ず寝る前にクレンジングを行うことが大切です。
クレンジングを行う際は、入浴する前に顔や手が濡れていない状態で行いましょう。いろいろな種類のクレンジング剤があるので、自分のメイクの濃さや肌状態に合わせたものを選択してください。
クレンジングは時間をかけると肌に負担となるため、なるべくフェイスマッサージをしないようにしてください。マッサージの際に毛穴にクレンジング剤が押し込まれ、洗い残しの原因となる場合があります。すすぐときは、洗顔と同様にぬるま湯を使用し、洗い残しがないようしっかりとすすぐようにしましょう。
4-3.保湿ケアを行う
洗顔とクレンジングで皮脂を落としただけでは、毛穴ケアにはなりません。
皮脂を落とすと肌が乾燥します。そのため、肌の乾燥を防ごうと、毛穴から皮脂が分泌されます。皮脂を分泌する際に毛穴が開いてしまうので、保湿を行わないと毛穴が目立つ原因になります。また、乾燥することでシワやたるみを引き起こし、それが原因で毛穴が開く原因になります。保湿ケアは、しっかりと行いましょう。
肌の保湿ケアをしっかりと行うには、化粧水と乳液を使用し、肌に水分と油分を補給しましょう。化粧水で水分を与えるだけでは蒸発するので、化粧水のあとは、乳液で油分を与えて保湿することが大切です。
5.美容医療による治療も検討
毛穴ケアで、毛穴をある程度目立たなくすることはできます。しかし、毛穴は毎日皮脂を分泌しており、季節や年齢、生活習慣などにより、皮脂の分泌量が変化するため、セルフケアでは思うようにケアができない場合があります。
毛穴の開きや汚れなどのトラブルにお悩みの方は、美容医療で毛穴ケアをすることもおすすめです。
「はじめての美容医療」では、毛穴にアプローチできる美容医療の治療方法を紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
毛穴 | はじめての美容医療 | ジェイメック (jmec.co.jp)
6.まとめ
毛穴については、男女問わず幅広い年齢の方が悩んでいます。また、毛穴を間違った方法でケアしている人も少なくありません。
毛穴の目立たない肌になるには、正しい毛穴ケアの方法を知り、毎日行うことが大切です。セルフケアだけでは対処できない毛穴トラブルにお悩みの方は、美容医療を取り入れて毛穴をケアするとよいでしょう。
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