汗っかきだと、代謝がいい。皆さんは、このような勘違いをしていませんか?実は、汗をよくかくからといって、必ずしも代謝が良いというわけではあいりません。代謝の良さや汗っかきとなる原因は、基礎代謝が関係しています。汗をかきにくい人だけでなく、汗っかきの人でも代謝が悪いことがあるのです。この記事では、代謝が悪くて汗っかきになる原因と、代謝を良くして痩せやすい体になるための方法を紹介します。
代謝が良い=痩せるとは?基礎代謝と新陳代謝の関係
ダイエットや美容を気にかけている時によく見聞きする言葉が『代謝』。生命維持に必要な「基礎代謝」と、髪・爪の生え変わりや肌のターンオーバーなど古いものを体外に出して、新しいものに入れ替える「新陳代謝」という言葉は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
1日の消費エネルギー量を大きく分けると、約60%を占める基礎代謝、約20~30%を消費する生活活動代謝、約10%を占める食事誘発性体熱産生(DIT)で構成されています。
基礎代謝とは、じっとしていても心臓を動かしたり、血液を供給したりなど自動的に行われるエネルギー消費のことを言い、肝臓、脳、筋肉の順で消費されます。生活活動代謝とは、日常生活の動作や運動などで体を動かした時に使われるエネルギー消費のことで、基礎代謝の次に1日の消費量が大きい代謝です。食事誘発性体熱産生は、人が食事をすることで発生するエネルギー消費で、食事で体が熱くなることや、しっかり食べてダイエットする方法も、食事誘発性体熱産生に起因しています。
代謝が悪くなると体温が下がり、体を温めようと皮下脂肪を蓄え始めるので、痩せにくい体質になります。反対に筋肉をつけるなどして体を温め、エネルギー代謝が上がれば、太りにくくなると言えます。
代謝が悪くて汗っかきになる理由とは
①冷え性
汗っかきな人は冷え性とは無縁と思われがちですが、汗っかきなのに手足などの末端が冷たい人は「隠れ冷え性」の可能性があります。運動すると汗をかくのは、必要以上に上がった体温を冷やすため。ですが、少し動いただけで大量の汗をかくような汗っかきの場合は、体が余計な水分を溜め込んでいることが原因の場合もあるようです。水分を取りすぎている、水分の排出が上手くいっていない、などの可能性があるので、代謝を上げていく必要があるでしょう。
また、隠れ冷え性は女性だけではなく男性にも多いと言われていて、内臓の機能や基礎代謝のレベルが下がり、食事を脂肪として溜め込みやすくなっているようです。
②隠れ肥満
太っている人だけでなく、平均的な体形や痩せ気味の人で汗っかきの場合は「隠れ肥満」の可能性があります。隠れ肥満では内臓脂肪が厚くなり、皮下脂肪と同様に体に熱がこもりやすくなるので、体温調節のために汗の量が多くなると言われています。
③運動不足
慢性的に運動不足に陥っている人は汗をかく機会が少ないため、汗腺が衰えて体全体でかく汗の量は少なくても体の一部だけで汗をかいて体温を調節している場合があります。汗が溜まりやすいワキをはじめとしたできれば汗をかきたくない場所によく汗をかくようになるので、「急に汗っかきになった」と感じた時は運動不足が原因かもしれません。
④ストレス
精神的なストレスや緊張で大量に汗をかくことを「精神性発汗」と言います。手のひらや足裏などの局所に大量に汗をかいたり、体全体の発汗量が増えたりすることがあります。
⑤食事の内容
食事の内容が原因で、大量に汗をかいてしまうことも。香辛料や肉類、お酒などは摂り過ぎると汗腺が刺激されて、特に顔や頭に汗をかきやすくなります。汗が気になるようであれば食事内容の見直しを。
痩せやすく代謝の良い汗をかく体づくり
はじめに紹介した基礎代謝、生活活動代謝、食事誘発性熱産生の3つの代謝量を効率的に上げて、筋肉を増やして体を温め、痩せやすい良い汗がかける方法を紹介します。
①基礎代謝を上げる
基礎代謝を上げるために実践したい習慣として、まずは起床後のストレッチを取り入れてはどうでしょうか。ストレッチには自律神経を整え血流を良くする働きがあり、朝日を浴びながらストレッチを行うと1日の基礎代謝を上げることができると言われています。また、朝1杯の水や白湯を飲むのも基礎代謝を良くするのに効果的です。
多くのエネルギーを消費する筋肉や脳、各臓器へのアプローチも、日頃から行いたいもの。ふとももなどの大きな筋肉が鍛えられるスクワットに取り組んだり、内臓の働きを良くするために適切な睡眠と食習慣を大切にしたり、脳の活性化のために新しいことにチャレンジしてみたりと、日ごろから気にかけてみると良いでしょう。
②生活活動代謝を上げる
まとまった時間がなくても、ちょっとした心がけで毎日の生活活動代謝を上げることができます。
通勤や仕事、家事、勉強などの日常生活で身体活動量を増やす方法として、キビキビ行動する、エレベーターではなく階段を使う、一駅歩く、座っているときは胸を張って姿勢を正すなど、日常の動作を意識することがおすすめ。これだけでも、生活活動代謝を高めることができます。また、歯磨きをする時はつま先立ちにしてみる、デスクの下でかかとを上げ下げするなど、ながら運動も効果的なのでぜひ取り入れてみてください。
③食事誘発性熱産生を高める
最後に、食事誘発性熱産生を高めるために取り組みたい習慣を紹介します。
まず食事の20~30分前にストレッチやウォーキングなどの軽い運動で体を動かすと、食べる時の食事誘導性熱産生が高まります。食事内容や食事の仕方では、できるだけ温かいものをよく噛んで食べるように心がけ、代謝量が増大するタンパク質の摂取を増やすと効果的。夜遅くの食事は、胃腸に負担になるだけでなく食事誘導性熱産生が低くなる時間帯なので、できるだけ朝型の食生活にシフトしていけると良いでしょう。
いろいろ試してみて、それでも汗のにおいが気になる、ワキ汗が多くて悩んでいるという方は、医療機関へ相談してみるのも一つの方法ですよ。
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