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【医師監修】ヒアルロン酸を打ち続けるとどうなる?リスクや副作用はあるの?

監修医師:岩城 佳津美 先生(いわきクリニックIC 院長 / 形成外科医)

ヒアルロン酸注入の効果は永続的ではなく、効果を維持するには数ヶ月に1回程度の治療が必要とされています。しかし、ヒアルロン酸を打ち続けると副作用など健康面に悪影響はないのか気になる方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、継続的なヒアルロン酸注入治療を受けた場合に起こり得るリスクや副作用などについて詳しく解説します。

監修:岩城 佳津美 先生 いわきクリニックIC 院長 / 形成外科医

ヒアルロン酸を打ち続けても健康面に影響はない?

ヒアルロン酸注入による治療は、見た目の変化がすぐにわかるので人気が高く、継続的に打つ方も多いようです。また、多くの美容クリニックがヒアルロン酸注入治療を行っていることから知名度が高く、比較的身近な治療とも言えます。

ヒアルロン酸を打ち続けても、基本的には健康面に影響はありません。そのため健康面への影響を懸念している方であっても、ヒアルロン酸注入を受けて問題ないと考えられます。

ただし、後述するようにまったくリスクがないわけではありません。安心して治療を受けるには、医師としっかり話し合った上で回数や頻度、治療箇所などを決めることが大切であり、大前提でもあります。

ヒアルロン酸を打ち続けても基本的には問題がない理由

ヒアルロン酸を打ち続けても問題がないと言える理由としては、主に次の2つが挙げられます。

理由1:ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分

ヒアルロン酸は、もともと皮膚や骨、関節、血管、内臓など、体内のさまざまな箇所に存在する成分です。そのため使用量を間違えなければ、外部からヒアルロン酸を注入しても健康面に悪影響に及ぼすことはないとされています。

理由2:時間経過によって体内に吸収される

ヒアルロン酸は注入したところに留まる性質があります。しかし時間の経過とともに体内に吸収されるので、適切な注入量および注入箇所であれば、トラブルにつながる可能性はほとんどないと言えるでしょう。

そもそもヒアルロン酸注入とは?

ヒアルロン酸は、医学的に「ムコ多糖類」と呼ばれる保水力に優れた成分です。1gで6リットルもの水を抱え込むことができると言われており、肌の水分の蒸発を抑える役割を果たしています。

この優れた保水力を持つヒアルロン酸をたるみやしわなどの部分に注射し、水分が枯渇した細胞をみずみずしい状態へ導くようにするのがヒアルロン酸注入治療です。また、注入部位に留まる性質があるため、注入した部分が盛り上がり、しわが目立ちにくくなる効果も期待できます。

美容医療で用いられるヒアルロン酸は体内に存在するヒアルロン酸とは異なり、架橋することによって注入した時に形を作りやすく、吸収されにくくなっています。

ヒアルロン酸を打ち続けることのリスク

既に説明したように、ヒアルロン酸を正しく打ち続けている限りは、基本的に健康に悪影響を及ぼすことはないと考えられています。ただし、美容面という点においてはリスクが起こることがあります。ヒアルロン酸を打ち続ける美容面へのリスクについて詳しく見ていきましょう。

頻回に入れすぎると違和感が生じる場合がある

ヒアルロン酸はボトックスとは異なり、表情筋に大きな影響を与えることはまずありません。ただし、過度な注入は筋肉の可動性を低下させ、表情を作りにくくするおそれがあります。このようなリスクを軽減するには、経験豊富な医師により適切な量を注入してもらうことが大切です。

ヒアルロン酸を入れていない部位との差が生じる

ヒアルロン酸を特定の部位に注入し続けると、その箇所のたるみやしわだけが改善します。その結果、他の部位と差が生じて違和感のある見た目になる可能性があります。例えば、ほうれい線にも深いしわが刻まれているのに目元のみ治療した場合、ほうれい線が余計に目立つおそれがあります。

何らかのダメージが及ぶ可能性が否定できない

美容面を含め、ヒアルロン酸注入には内出血や腫れ、感染、アレルギー、血流障害などの副作用やリスクがあるとされています。ただし単なる確率の問題ではなく、注入量や注入箇所のミス、体質などが関係していることも考えられます。このリスクをできる限り回避するにも、信頼できる医師による治療を受けるようにしてください。

ヒアルロン酸注入で起こり得る副作用、ダメージ

ヒアルロン酸注入で起こり得る副作用やダメージの中で、もっとも重篤なものは血管の閉塞です。また目につきやすく気になるものとしては、術後の内出血が挙げられます。これらについて詳しく解説します。

血管の閉塞

血管の閉塞は、ヒアルロン酸が動脈や静脈を圧迫したり血管内に溜まってしまったりすることで生じます。細かな静脈に起きた場合は、それほど大きな問題にはなりません。しかし、動脈が閉塞すると血流障害が生じ、酸素や栄養が行き渡らなくなることで壊死を引き起こすおそれがあります。

実際に、ヒアルロン酸注入の失敗によって鼻が壊死した事例もあるため、他人事とは思わないことが大切です。ただし、十分な知識と技術、経験を持つ医師による治療であれば、血管閉塞のような重大な副作用が起きる心配はほとんどありません。

また、症状が現れた時点ですぐに医師に相談することで、壊死に至る前に対処できます。このとき医師の対応に不安がある場合は、他のクリニックでセカンドオピニオンを受けるようにしてください。

内出血

ヒアルロン酸注入に限らず、注射による治療には内出血のリスクが伴います。細い注射針や先端が丸い注射針の使用により、このリスクを軽減することが可能です。しかし、内出血が起こらないように慎重に注入したとしても、絶対に起きないという保証がないことは覚えておきましょう。

内出血が起きたところは青くなりますが、時間が経過すれば基本的に自然治癒します。しかし状態が改善するまでは見た目が気になる可能性があるため、大切なイベントなどの直前に受けるのは避けた方がいいかもしれません。

肉芽腫

ヒアルロン酸の注入後、何らかの反応によってまれにしこりが現れることがあります。このしこりは、異物反応性肉芽腫や異物性肉芽腫などと言い、ヒアルロン酸分解注射をしても通常は消えることがありません。放置しておいても健康に害が及ぶことはありませんが、気になるようであれば摘出などで対処する必要があります。

ヒアルロン酸を打ち続けるリスクを抑える方法

これからヒアルロン酸注入による継続的な治療を検討している方は、起こり得るリスクを最大限に抑えるため、医師選びなどは慎重に行いましょう。以下で詳しく解説します。

信頼できる医師をかかりつけ医にする

ヒアルロン酸注入は、多くの場合で医師の技術が治療結果に大きな影響を与えます。特に注入する位置や量に問題があると、不自然な仕上がりになるだけでなく、先述した皮膚の壊死や失明などにもつながる可能性があります。

これらのリスクを避けるには、技術力と信頼性が高い医師をかかりつけ医に選ぶことが重要です。症例写真やホームページを入念にチェックして、自分が納得できる医師を探すようにしましょう。

複数のクリニックでカウンセリングを受ける

治療の方法や目的、リスクなどについて十分な説明を行い、患者の同意を得た上で治療を開始することをインフォームドコンセントと言います。

信頼できるクリニックを見つけるためには、1箇所だけでなく複数のクリニックでカウンセリングを受けて、インフォームドコンセントができていることを最低条件とした上で選ぶようにしましょう。

その際、自身の理想を医師としっかりすり合わせて、術後の仕上がりをイメージできるように十分に話すことが大切です。

話をちゃんと聞いてくれない、リスクや副作用の説明などが不十分だと感じる時などは、即決せずに別のクリニックでもカウンセリングを受けるようにしてください。

まとめ

ヒアルロン酸を打ち続けても、健康面に悪影響が及ぶ心配はほとんどありません。しかし、注入部位や注入量が適切でない場合は、見た目に違和感のある仕上がりになる可能性があるので注意が必要です。また何らかの副作用やリスクが起こる可能性についても、必ずしもゼロだとは言い切れません。このような不安を避けるためには、十分な実績と技術力を持つ医師に相談し、治療を受けることが大切です。

     

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