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目の下のたるみがひどい!原因・治療法・対策法について解説

監修医師:谷 祐子 先生(広尾プライム皮膚科 院長 / 形成外科専門医)

目の下のたるみがひどい場合、さまざまな要因が考えられます。複数の要因が重なることでたるみがひどくなるため、1つずつチェックして適切に対処しましょう。また、セルフケアで悪化を抑えるとともに、美容医療で改善を目指すのも選択肢の1つです。
今回は、目の下のたるみの原因や治療法、対策法などについて詳しく解説します。

監修:広尾プライム皮膚科 院長 谷 祐子先生

目の下のたるみの原因

目の下のたるみの要因は、脂肪やくま、頬のくぼみなどさまざまです。たるみを引き起こす理由を知ることで、日々の生活での注意点が見えてきます。

目の下のひどいたるみの要因について詳しく見ていきましょう。

目の下の脂肪が多い

目の下にある眼窩脂肪(がんかしぼう)の量が多いと、目の下がふくらんでみえます。このふくらんだ眼窩脂肪が原因で、たるみに見えることがあります。軽度から中等度では涙袋よりも眼窩脂肪の高さは低い状態ですが、重度になると涙袋よりも眼窩脂肪が高くなり、ひどくたるんだように見えてしまいます。

眼窩脂肪がふくらむのは、加齢によって眼輪筋が衰えるためです。眼輪筋には眼窩脂肪が前に出てこないように留める役割がありますが、加齢によって筋肉がうすくなるとその機能を十分に果たすことができず、眼窩脂肪が前に出てくるようになります。

目元のたるみ

目元のたるみは、眼窩脂肪のたるみが原因で起こります。加齢によって肌のハリを保つコラーゲンやエラスチン、水分を保つヒアルロン酸などが減少すると、眼窩脂肪が重力に従って次第に下がってくるようになります。また、眼輪筋の衰えも眼窩脂肪のたるみを引き起こす原因です。

加齢によるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の減少は防ぐことができません。そのため、ある程度の年齢になってくると目元がたるむようになります。ただ、たるみが他の人よりもひどいと感じるのであれば、紫外線対策が不十分なのかもしれません。

紫外線は肌の奥深くに入り込み、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞の働きが弱まり細胞の数が減少します。そのため、紫外線対策をしている人としていない人とでは、同じ年齢でも目の下のたるみの度合いに違いが生じることがあります。

頬の皮下脂肪が少ない

通常、年齢を重ねるにつれて骨や皮下組織は減少していきます。すると頬が次第に低くなってくぼみが目立つようになり、目の下のたるみが際だってひどく見える場合があります。骨や皮下脂肪は加齢の影響で減少するため、防ぐことはできません。

しかし他の要因の対策をすることで、目の下のたるみを目立たないようにできることもあります。

頬骨が遺伝的に低い

遺伝的に頬骨の中央の高さが低いと、皮下脂肪が少ない場合と同じ理由で目の下のたるみが目立ちやすくなります。遺伝的な骨格の問題は、未然に防ぐことはできません。そのため、頬骨の皮下脂肪が少ない場合と同じく、他のたるみの要因を解消し、可能な限り目の下のたるみを目立たないようにすることで対処します。

くまがある

くまの種類には、黒くま・青くま・茶くまがあります。

黒くま……眼窩脂肪の突出によって影ができた状態
青くま……目元の血行不良によって血管内の血液が透けて見えるようになった状態
茶くま……メラニン色素が目元の肌に沈着した状態

それぞれに原因は違いますが、いずれのくまも目の下のたるみを強調する原因になります。

目の下のたるみの治療法

目の下のたるみは、正しいスキンケアやサプリメントで栄養を補うことで改善できる可能性もありますが、たるみの状態がひどい場合はセルフケアではなかなか解消できません。目の下のたるみがひどくてコンプレックスになっているのであれば、クリニックで美容治療を受けるのがいいかもしれません。

目の下のたるみ治療には、外科手術とレーザー治療があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

外科手術

眼窩脂肪を外科的に取り除き、たるみを解消する治療法です。メスで目元を切開して眼窩脂肪を取り除くと、目の下のふくらみや黒クマ、しわなどが改善し、目元が若々しく見えるようになります。また個人差はあるものの、眼窩脂肪を取り除いた部分のたるみは再発しにくい傾向があります。

このように効果や再発の可能性などの面でメリットがある治療法ですが、皮膚を切開するためダウンタイムがあることに注意が必要です。また施術方法によっては縫合や抜糸が必要なほか、目元の赤みや腫れ、内出血によるあざ、麻酔が切れた後の痛みなどが生じることがあります。

また、メイクや運動ができるまでに1~2週間程度かかることもあるため、生活への影響を踏まえて受ける時期を決めることが大切です。

レーザー治療

レーザー治療は、熱エネルギーを目元に照射して線維芽細胞を活性化させ、コラーゲンやエラスチンの生産を促すことで目元を引き締める治療法です。熱エネルギーはピンポイントで照射するため、周りの組織に大きなダメージが及ぶ心配はほとんどないとされています。

ダウンタイムは数日から1週間ほどで、多くの場合は軽い赤みや痛み程度のものです。なるべく切開による治療は受けたくない方、長いダウンタイムを取ることができない方などに適しているといえます。

目の下のたるみの対策

目の下のたるみは、セルフケアで改善することはほぼ不可能です。しかし、対策を続けることでたるみの悪化を抑えたり、ひどいたるみを防いだりできる可能性が高まります。目の下のたるみ対策について詳しく見ていきましょう。

目元マッサージ

眼輪筋が衰える原因は、加齢だけではありません。PCやスマートフォンの長時間の使用も、眼輪筋の衰えを促します。目を酷使すると眼輪筋に疲労が蓄積して目元への血流が低下し、眼輪筋が衰えやすくなるのが理由だと考えられています。

このような問題に対処するため、目元マッサージを習慣づけましょう。目頭や眉頭、こめかみなどを指の腹で円を描くように優しくマッサージします。ただし、目の周りは皮膚が薄くて摩擦の影響を受けやすいため、強くこすらないように注意が必要です。

目元を強くこするとメラニン色素が過剰に生成されて肌に沈着し、茶くまができるおそれがあります。

紫外線対策

紫外線を日常的に受けると、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞の働きが低下し、目の下のたるみがひどくなることがあります。紫外線は夏だけではなく年中通して地上に降り注いでいるため、外出時には紫外線対策が必要です。

日焼け止めクリームを塗るだけではなく、UVカットファンデーションやメガネ、サングラス、帽子、日傘などでしっかり対策しましょう。

生活習慣の改善

日々の生活習慣は、目の下のたるみだけでなく、しわやシミなどにも影響を及ぼすことがあります。例えば睡眠不足やストレスはホルモンバランスを崩し、肌の新陳代謝を低下させることにつながります。また偏った食事は新陳代謝に必要な栄養成分が不足し、目の下のたるみやしわ、シミなどを引き起こす原因になると考えられます。

昼夜逆転の生活やファストフード中心の食生活、ストレス過多などがある場合は、生活習慣を見直しましょう。十分かつ良質な睡眠や栄養バランスのとれた食事、適度な運動、ストレス発散などを心がけることで、目の下のたるみの悪化を抑えられる可能性があります。

正しいスキンケア

洗顔やクレンジング、保湿ケアなどは、方法を誤ると目の周りに大きな負担がかかり、かえって目の下のたるみの悪化を招くおそれがあります。例えば、クレンジングの際に洗浄力が強いもので目の周りをゴシゴシと擦ると、大きな刺激を与えてしまいます。

スキンケアの際にはコットンを使用し、やさしく押さえるようにすれば肌への負担を最小限に抑えることができます。また、皮脂が気になるからといって洗浄力が強い洗顔料でゴシゴシと洗うこともNGです。

また洗顔は、肌質に合った洗顔料をしっかりと泡立てて、優しく包み込むように丁寧に洗いましょう。洗顔後は肌が敏感な状態になっています。なるべく早く保湿ケアをしてください。時間が経ちすぎると肌の水分が失われ、乾燥しやすくなります。

乾燥した肌は紫外線の影響を受けやすいため、結果的に目の下のたるみの悪化につながります。

表情筋トレーニング

目の周りにある眼輪筋は、眼窩脂肪が前に出ないように留める役目があります。そのため、眼輪筋を衰えさせないようにトレーニングすれば、目の下のたるみの悪化を抑えることができます。

眼輪筋トレーニングの方法は次のとおりです。

  • 目を強くつむったまま5秒キープする
  • 目を大きく見開いて5秒キープする
  • これを5回繰り返す

眼輪筋トレーニングは、こまめに行わなければ効果が期待できません。スキンケアの後や寝る前など習慣的に取り入れ、毎日同じタイミングでトレーニングをするようにすると長く続けやすいでしょう。

長時間のスマホ使用を避ける

現代では、PCやスマートフォンの使用時間が長く、目の疲れを訴える方が増加傾向にあります。疲れ目は目の下のたるみの要因になるため、なるべくPCやスマートフォンの使用を減らすことが大切です。

また、画面の光によるストレスで交感神経が優位に作用すると体が緊張状態になり、老廃物の排出に影響が出る可能性があります。老廃物が目元に溜まると、目の下のたるみの悪化につながるおそれがあります。

ただ仕事の都合上、PCやスマートフォンの使用時間を減らすのが難しいことがあるかもしれません。その場合は、なるべく1時間に1回は休憩して目を休めたり、休日は使用を控えたりするなどして、意識して少しでも目の負担を減らすようにしましょう。

まとめ

目の下のたるみは加齢による症状の1つのため、過度に気にする必要はありません。しかし、あまりにもひどい、どうしても気になるといった場合は美容クリニックで外科手術やレーザー治療などを受けることも検討したほうがいいかもしれません。また、規則正しい生活や正しいスキンケア、紫外線対策などを徹底し、目の下のたるみが悪化しない対策を心がけるようにしてください。

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