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茶クマとは?原因・セルフケア・治療法・予防法を解説

監修医師:木村 有太子 先生(順天堂大学皮膚科 非常勤講師 / 皮膚科専門医)

目の下に茶色のシミのようなものができている場合、茶クマの可能性があります。茶クマは、シミやくすみ、そばかすなどと同じくメラニン色素が肌に沈着したものです。一度発生すると簡単には治らないため、セルフケアを続けつつクリニックで治療を受けることも検討しましょう。

今回は、茶クマの症状から原因、セルフケア、治療法、予防法まで詳しく解説します。

監修:木村 有太子 先生( 順天堂大学皮膚科 非常勤講師)

茶クマとは

茶クマは、目の下が茶色く見えるクマです。メラニン色素が沈着して茶色く変色しているため、目の下を引っ張っても色が薄くなりません。また目尻を指で横に引いたときに、茶色の部分と皮膚が一緒に動くような場合も茶クマと考えられます。一方、黒クマと青クマの場合は引っ張ると薄くなるので、これが見分け方の1つになります

それでは、茶クマと青クマ、黒クマとの違いについて詳しく見ていきましょう。

青クマとの違い

青クマとは、目の下が青色や紫色になった状態のことです。目の下を通っている毛細血管内の血液が透けて見えることで、青色や紫色になります。十分に血流がある状態では、血液が透けてみえることはありません。しかし、目元への血流が低下すると、血液を赤く色づけているヘモグロビンの色が皮膚を通して透けて見えるようになります。

特徴は、目の下を引っ張ると色が薄くなることです。茶クマのようにメラニン色素とは関係がなく、長時間のPCやスマートフォンの使用、睡眠不足、冷えなどによって血行が悪くなると発生するケースが多いようです。

黒クマとの違い

黒クマは、目の下にある眼窩脂肪が加齢によって膨らむとともに、目元がたるむことで発生するクマです。膨らみとたるみがある部分と頬の間に境目が生じ、目の下に影のようなものができて黒く見えます。

たるみの原因は、加齢によるコラーゲンの減少です。また、乾燥や紫外線によるダメージなども要因の1つです。茶クマや青クマとは異なり、セルフケアでは改善が期待できません。基本的に、境目を目立たないようにするためには、脂肪注入やヒアルロン酸注入といったクリニックでの治療が必要になります。

茶クマの原因

茶クマは、目の下にメラニン色素が沈着したものです。メラニン色素は肌を刺激や紫外線から守る役割を果たしており、メラノサイトと呼ばれる細胞で生成されます。生成されたメラニン色素は新陳代謝によって自然に排出されるため、通常では肌に沈着することはありません。

しかし、次のような原因でメラニン色素を排出しきれなくなると、肌に沈着して茶クマをつくるようになります。

目元を摩擦した

目元を摩擦すると、肌を守ろうとしてメラニン色素が大量に生成されます。その結果、新陳代謝では排出しきれなくなり、肌に沈着していきます。また目元は他の部位と比べて皮膚が薄いため、軽く摩擦しただけでもメラニン色素が増えることがあります。

目がかゆい、コンタクトレンズが乾く、単なる癖など、さまざまな原因が目を摩擦します。目をこすりそうになったら、意識的にやめるよう心がけてみてください。コンタクトレンズの人はメガネに変更したり、また視力が悪くなくても度無しメガネを使用したりすることでも、目をこするのを防ぎやすくなります。

紫外線ダメージを受けた

強い紫外線ダメージを受けると、肌を守ろうとしてメラニン色素が大量につくられます。

気象庁の資料によると、紫外線は3月頃から増え始めて7月頃にピークに達します。また時間帯別に見てみると、7月は7時頃、12月は8時頃から増え始め、いずれも12~13時頃がいちばん多くなります。

しかし紫外線は年間を通して降り注いでいるため、紫外線の影響による茶クマを防ぎたいのであれば、日常的に対策を欠かさないことが大切です。

メイクやスキンケア用品が合わない

メイクやスキンケア用品が合わない場合、皮膚に炎症が起きることがあります。

赤みやかゆみ、乾燥などが生じるとメラニン色素の生成量が増加し、肌に沈着しやすくなります。この場合、原因となっているメイクやスキンケア用品の使用をやめれば、改善する可能性もあります。

しかし洗顔料や保湿剤、アイライナーなどは使用頻度が高いため、それだけ目元に大きな影響を及ぼします。少しでもかゆみや赤みがみられた場合は、なるべく早く使用をやめることをおすすめします。

生活習慣に問題がある

睡眠不足や栄養不足、運動不足、過度なストレス、飲酒や喫煙などは、肌の新陳代謝を低下させ、その結果としてメラニン色素の沈着を促すおそれがあります。また仕事や学校、家庭などで大きなストレスを抱えると、睡眠不足になったり飲酒や喫煙でストレスを発散させようとしたりして、悪循環に陥ることも少なくありません。

生活習慣を見直してこれらの要因をできるだけ排除することも、茶クマの予防につながります。

茶クマのセルフケア

茶クマは、セルフケアによって一時的に改善できることがあります。ポイントは、メラニン色素が過剰に生成されるのを防ぎつつ、新陳代謝を促すことです。茶クマのセルフケアの方法について詳しく見ていきましょう。

正しい方法で洗顔する

洗顔は毎日行うため、間違った方法で続けていると目元に良くない影響を及ぼすことがあります。力を入れてゴシゴシと洗ったりするのはもちろん、熱い湯で洗うことも、肌にとっては負担になります。そのため、次のような方法で肌にやさしい洗顔を心がけましょう。

1.手をきれいに洗う
2.32~34℃程度のぬるま湯で顔をすすぐ
3.洗顔料をしっかりと泡立てる
4.手のひら、指の腹でやさしく丁寧に洗う
5.ぬるま湯で十分にすすぐ

洗顔後は、なるべく早く化粧水や美容液で水分や美容成分を肌に与え、乳液やクリームで油分を補給するようにしましょう。

メイクのときはなるべく摩擦しない

目元のメイクはなるべく控えて、摩擦を加えないようにすることも大切です。どうしてもメイクをしたい場合は、アイシャドウブラシなどで優しく丁寧に行うようにしてください。柔らかい素材のアイシャドウブラシであれば、目元への刺激を最小限に抑えることができます。

目元の紫外線対策をする

目元は他の部位と比べて皮膚が薄いため、紫外線の影響を受けやすいことに注意が必要です。外出の際は目の周囲が日焼けしないように、サングラスや帽子、日傘などを使用し、しっかり紫外線から守ってください。

生活習慣を整える

十分かつ良質な睡眠や栄養バランスのとれた食事、適度な運動、ストレス解消など、生活習慣を整えることで新陳代謝が促され、メラニン色素が沈着しづらくなります。食事では、タンパク質やビタミン類、ミネラル、糖質、脂質などをバランス良くとるために、さまざまな食材を献立に取り入れることを心がけましょう。

また運動不足の方は、ウォーキングや軽いジョギングなどから始めると、長続きしやすいかもしれません。ストレスについては、自分に合う解消法を見つけることから始めてみてください。

茶クマの治療法

茶クマは、セルフケアでは大きな改善が見込める可能性が低いため、早めにクリニックを受診することをおすすめします。放置したままにするとますます色が濃くなり、改善に時間がかかるようになります。クリニックにおける茶クマの治療法について詳しく見ていきましょう。

レーザー治療

茶クマは、レーザー治療で改善が期待できます。レーザー治療で使用するのは、メラニン色素にだけ反応して熱エネルギーを発するタイプのレーザーです。熱エネルギーによってメラニン色素を分解し、新陳代謝による排出を促します。通常であれば周りの組織がやけどを負うことはほとんどないと言えます。

ただし、施術後は赤みやヒリヒリとした痛み、乾燥などの症状が現れる場合があります。また施術後は肌が特に敏感になっているので、紫外線対策や保湿ケアで肌をしっかり保護することが大切です。なお、治療に必要な照射回数は茶クマの範囲や濃さなどで異なるため、まずは医師の診察を受けて説明を十分に聞くようにしましょう。

薬物療法

ハイドロキノンやトラネキサム酸といった、メラニン色素の生成を抑えたり排出を促したりする美白剤を使用します。外用と内服があり、一般的には外用で治療します。副作用や禁忌などがあるため、事前に十分に説明を受けたうえで、使用するかどうかを判断しましょう。

また、治療開始から茶クマが薄くなったり消えたりするまでには数ヵ月はかかります。途中でやめると再び茶クマが濃くなる可能性もあるため、根気よく治療を続けることが大切です。

茶クマの対策

茶クマを予防するためには、規則正しい生活や正しいスキンケア、洗顔、刺激を与えないメイク、紫外線対策などを続けることが重要になります。茶クマは、一度できると改善するのに時間がかかるうえに、治療には費用や通院の手間がかかります。

だからといって放置すると、ひどい茶クマになってしまうでしょう。

そのため、普段の生活習慣やスキンケアなどを見直すなど、できるだけ早めに対策を始めることが症状を進行させないためには大切です。すでに発生してしまった茶クマは、クリニックでレーザーや内服薬による治療を受けて早めに治し、再発を防ぐための対策を続けましょう。

まとめ

茶クマは、メラニン色素が目元に沈着したものです。目元は他の部位と比べて皮膚が薄いため、少しの摩擦や紫外線でも茶クマになるおそれがあります。特に、日々のスキンケアやメイクで継続的に刺激を与えると、茶クマができるリスクが大きく高まると考えられます。

もし、茶クマができて悩んでいるのであれば、レーザー治療や内服治療などさまざまな治療法の中から自分に合った方法を選べるクリニックを受診しましょう。

     

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