ニキビ・ニキビ痕

♥3

【医師監修】背中のぶつぶつの正体は?原因や治療法について解説

監修医師:土屋 すなお 先生(すなおクリニック 院長 / 形成外科専門医)

背中のぶつぶつが気になったことはありませんか?自分では確認しにくい場所のため、お手入れが難しく、上手にケアできていない方が多いと思います。正しくケアしないと背中のぶつぶつが悪化する可能性があるため要注意です。

この記事では背中にできるぶつぶつの種類や原因、セルフケアの方法、美容医療でできる治療について解説します。

監修医師:土屋 すなお 先生(すなおクリニック 院長/外科医・皮膚科医)

1.背中のぶつぶつの種類

背中のぶつぶつは一種類だけではありません。正しくケアするためには、まず背中のぶつぶつが何なのかを知る必要があります。ここでは背中にできるぶつぶつの種類について解説します。

1-1.マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎はニキビと症状が似ていますが、ニキビは顔にできやすくマラセチア毛包炎は顔以外の部分に多く見られるのが特徴です。背中だけでなく、胸や肩、二の腕などの汗をかきやすい部位に発症し、小さいニキビのような赤い発疹が見られかゆみを伴うことがあります。

1-2.粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)は皮膚内側に表皮細胞が入り込んで袋を作り、皮膚のターンオーバーによってできた老廃物が、正常に排出されないまま袋の中にたまってしまったものを指します。

これはアテロームやアテローマとも呼ばれ、半球状に盛り上がっており時間の経過とともに大きくなる場合があります。痛みはありませんが、細菌感染すると炎症を起こし痛みを伴うことがあります。

1-3.毛孔性苔癬

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は皮膚の毛穴に小さいぶつぶつと盛り上がった発疹ができる疾患です。毛包と呼ばれる毛の根元を包んでいる組織に発疹が起こる毛孔性角化症の一種で、一般的にはサメ肌と表現されることもあります。

触るとざらざらとした感触で痛みは感じませんが、赤みのある発疹を伴うことがあり、色素沈着により肌が黒ずむ場合があります。

1-4.ニキビ

ニキビは過剰な皮脂分泌や毛穴のつまり、アクネ菌の増殖などが原因です。顔のニキビは思春期にできやすいのに対し、背中のニキビは年齢や性別によらずできるのが特徴です。背中は皮脂腺が広く分布しており、ニキビのできやすい部位と言えます。

2.背中のぶつぶつの原因は?

背中のぶつぶつをケアするためは、ぶつぶつの原因を知ることが大切です。ここでは背中のぶつぶつの原因を解説します。

2-1.マラセチア菌

マラセチア菌はカビの一種で、人や動物には常在菌として存在しています。脂質を栄養源としていて湿気を好む菌で、洋服などで蒸れが生じやすい背中やワキ、胸、肩などに症状が出やすいといわれています。

そのため寒い時期よりも梅雨から夏にかけて、じめじめした暑い時期に症状が出やすくなります。

2-2.アクネ菌

アクネ菌は皮脂や古くなった角質が毛穴につまると増殖し、炎症を起こすことでニキビを発生させます。背中の皮脂腺は大きく広く分布しており、またセルフケアがしづらい部位のためニキビができやすくなります。

2-3.皮脂や汗

皮脂や汗により肌が不潔になると、マラセチア菌やアクネ菌が増殖しやすい肌環境となります。皮脂は保湿不足や間違ったスキンケア、ホルモンバランスの乱れなどにより過剰に分泌されるため、注意が必要です。

2-4.乾燥

肌の水分量が少ないと肌のバリア機能が低下し、肌トラブルを起こしやすい状態になります。

また肌の水分量が少ないことにより、肌をうるおすため、皮脂の分泌が増えて肌がべたつくことも。過剰な皮脂の分泌は、ニキビが増えたり悪化したりする原因になる場合があります。

2-5.ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れは皮脂の過剰分泌につながり、肌荒れを起こしやすくなります。特に女性は思春期や生理のときにホルモンバランスが乱れやすくなります。

また生活習慣の乱れもホルモンバランスの乱れにつながるので注意しましょう。

3.背中のぶつぶつのセルフケア方法

背中のぶつぶつは正しいセルフケアで発症や症状の悪化を防ぐことができます。ここでは背中のぶつぶつのセルフケア方法について解説します。

3-1.肌を清潔に保つ

肌には皮脂や汗・垢などが付着しており、寝る前には肌の汚れをしっかり落とすことが大切です。

ネットを使用してきめ細かい泡を作って肌を強くこすらないように気を付けて洗い、しっかりとすすいでください。

3-2.保湿する

肌の乾燥は肌トラブルを引き起こすため、しっかりと保湿することが大切です。特に洗浄後の肌は皮脂膜や余分な角層が洗い流された状態のため、水分がどんどん蒸発していきます。

化粧水やボディクリームで必要な水分と油分を補いましょう。べたつきが気になるからとボディクリームを使用しないのは肌の乾燥の原因になります。べたつきが気になる方はつけ心地の軽いものを選び、しっかりと保湿するよう心がけてください。

3-3.生活習慣を整える

生活習慣を整えることは、ホルモンバランスを整えることにつながります。睡眠時間を6時間以上確保し、バランスのよい食事をとることを意識しましょう。

またストレスを軽減することも大切です。時間があれば適度な運動を取り入れるとよいですが、時間がなければお風呂にゆっくりつかるだけでもリラックスできます。

音楽やアロマオイルを取り入れるのも、リラックス効果が得られるのでおすすめです。これはスムーズな入眠にもつながるため、質の高い睡眠が確保できるでしょう。

4.美容医療による背中のぶつぶつの治療法

背中はセルフケアが難しい場所のため、ぶつぶつができると悪化しやすくなります。セルフケアに努めても症状の改善ができない場合は、美容医療で治療するのがおすすめです。

ここでは美容医療でできる背中のぶつぶつの治療法を解説します。

4-1内服薬

ニキビによる症状の場合は内服薬で治療を行うことがあります。ビタミンB6やビタミンB2、抗生物質などを服用し治療を行います。

4-2.外用薬

外用薬も有効な治療の一つです。できているニキビの状態に合わせて殺菌、消炎、鎮痛効果のある塗り薬を使用します。また抗生物質を含む薬を塗布することもあります。

4-3.フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは、肌に見えないくらいの細かい穴をあけて肌の再生を促す治療です。ニキビ痕の改善や毛穴の引き締め、毛孔性苔癬の改善などの効果が期待できます。

背中はセルフケアが難しいため、肌トラブルを起こすと痕が残る可能性あります。肌トラブルの痕が気になる人にはおすすめの治療と言えるでしょう。

4-4.ケミカルピーリング

ピーリングは治療したい部位に薬剤を塗布し、古い角質を取り除くことでコラーゲンやエラスチンの生成を促すため、肌のキメやハリの改善に適した治療です。

ニキビなどの肌トラブルにより肌に炎症を起こしている場合は、ピーリングをすることで余分な角質を取り除き、皮脂の分泌を正常化したり膿のあるニキビを自然に取り除いたりする効果が期待できます。また毛穴をふさぐ角栓を除去することも可能です。

5.まとめ

背中のぶつぶつは自分で確認することが難しく、セルフケアがしにくい場所のため、気になっている方が多いと思います。そのため背中にぶつぶつができる原因やセルフケアの方法を理解し、新たにぶつぶつができたり悪化したりしないように努めることが大切です。

セルフケアに限界を感じたら美容医療に頼ってみるのもおすすめです。できる範囲でケアを行い、困ったときは美容医療で治療しきれいな肌を保っていきましょう。

ニキビでお悩みの方に!治療を受けられる医療機関はこちらから検索できます。※外部サイトに遷移します。

     

記事一覧に戻る

TOP