そばかすは年齢を重ねた人だけでなく10代の若い人にも現れる症状です。そばかすができると、どうにか消したいと悩む人もいるのではないでしょうか。そばかすはセルフケアでもある程度予防できますが、遺伝的にそばかすが出やすい方もいます。医療機関ではさまざまな治療法がありますがレーザートーニングとよばれる治療法もおすすめです。
この記事ではそばかすの特徴や原因、そばかす治療におすすめのレーザートーニングについて解説します。
監修:藤本 智子先生(池袋西口ふくろう皮膚科クリニック/皮膚科専門医)
1.そばかすの特徴
そばかすとはシミの一種で、雀卵斑ともいわれます。白人や肌の色が白い人にできやすく、両頬や鼻を中心に2~3㎜ほどの円形または楕円形の茶色いシミが多発し、散在しているのが特徴です。
一般的なシミは加齢に伴ってできますが、そばかすは幼少期からできる場合があり、人によっては10代後半に自然に消失することもあります。
また家族にそばかすがある人がいる場合は、遺伝的要因も関係していると言われているため、そばかすができやすい体質である可能性があります。
2.そばかすが発症・悪化する原因
そばかすの発症には様々な原因があります。正しくケアしないと、そばかすを悪化させる可能性があるため、原因を理解しておくことが大切です。
ここではそばかすが発症・悪化する原因について解説します。
2-1.遺伝
家族にそばかすのある人がいる場合は、遺伝的にそばかすができやすい体質を受け継いでいる可能性があります。
2-2.紫外線
そばかすが発症する原因として紫外線の影響が挙げられます。もともとできていたそばかすが紫外線の影響で大きくなったり、色が濃くなったりすることもあるので、紫外線対策はしっかり行うことが大切です。
2-3.摩擦
肌の摩擦もそばかすができる原因の一つです。洗顔やスキンケアのときに肌をごしごしと強くこすると、肌への刺激となりそばかすができる可能性が高くなります。
2-4.ホルモンバランス
食生活や睡眠不足などの生活習慣が乱れると、ホルモンバランスが崩れて肌トラブルが起きやすくなります。肌トラブルによる肌への刺激は、そばかすができる可能性を高めるので注意が必要です。
また妊娠・出産によりホルモンバランスが変化することがそばかすの原因になる場合があります。
3.そばかすのセルフケア方法
そばかすを作りたくないなら、紫外線対策やスキンケアなどのセルフケアも大切です。正しいセルフケアを行うことで、新たなそばかすの発生や、できているそばかすが濃くなることを予防できます。
ここではそばかすのセルフケア方法を解説します。
3-1.紫外線対策
紫外線は肌にダメージを与えてそばかすを発生させるだけでなく、肌にもともとあったそばかすの大きさや濃さにも影響を与える可能性があるため注意が必要です。日焼け止めを塗る、日傘や帽子を使うなど紫外線対策は万全にしましょう。
紫外線は一年中降り注いでいるため、日焼け止めは一年中塗ることが大切です。また室内にいても窓から紫外線が入り込むことがあるため、外出をしない日でも日焼け止めを塗ることをおすすめします。
日焼け止めを選ぶときは、紫外線防止効果を示す指標であるSPFやPAを確認し、シーンに合わせて使い分けましょう。アウトドアやレジャーなどで紫外線を浴びる時間が長いときは、日焼け止め効果の高いものを選ぶことが大切です。ただし日焼け止めの効果が持続するのは2~3時間程度ですので、こまめに塗りなおすようにしましょう。
また、せっかく外用をしても適切な厚さがないと日焼け止めの効果が発揮できませんので、十分な量の外用が必要です。
3-2.美白化粧品を使う
美白化粧品はメラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ働きのある成分が配合されている場合が多いです。新たにそばかすができないように、スキンケアのときは美白化粧品を取り入れることをおすすめします。
紫外線対策とあわせて行えば、そばかすの予防効果を高めることができるでしょう。
3-3.正しいスキンケアを行う
スキンケアのときに肌をごしごしとこすると肌への刺激となり、シミの元となるメラノサイトが生成されます。
顔を洗うときやコットンで化粧水をつけるときには、知らず知らずのうちに力を入れている場合があるので要注意です。肌に触れるときはこすらないように意識しましょう。
また肌の乾燥はバリア機能の低下につながり、肌がダメージを受けやすくなるため、そばかすができるリスクが高まります。肌をこすらないように優しく丁寧なスキンケアに加えて、手のひらに肌が吸い付くくらいしっかりと保湿をすることが大切です。
3-4.生活習慣を整える
食生活の乱れや睡眠不足、運動不足などの生活習慣の乱れは、肌のターンオーバーの乱れにつながります。
肌のターンオーバーが正常であれば、紫外線や摩擦などのダメージによって活性化し肌に蓄積されたメラニン色素は排出されていきます。食事はバランスよく食べ、質のよい睡眠がとれるようになるべく毎日入浴することを意識してみてください。またストレスをためるのもよくありません。軽い運動や気持ちをリラックスさせるアロマオイルを使用したり、好きな音楽を聴いたりしてストレスを発散するのがおすすめです。
4.そばかすの治療法
そばかすにはいろいろな治療があります。ここではそばかすの治療法を紹介します。
4-1.光治療(IPL)
IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる特殊な光で、シミやそばかすなどの原因であるメラニン色素にダメージを与えることにより、少しずつ、シミの色調を薄くします。ほかにも光の作用によりコラーゲンの生成が促され、肌のキメを整えハリを取り戻す効果が期待できるので、シワや毛穴の開きなどの治療にも用いられています。
4-2.ピーリング
ピーリングは薬剤を使用し肌表面に蓄積した古い角質をはがしやすくして、肌の新陳代謝を促す治療法です。そばかすだけでなく、ニキビ痕等の治療にも用いられています。
ピーリングによって新陳代謝を促すことで、メラニン色素を排出しやすくするため、現在できているそばかすの改善が期待できます。今後そばかすになりうるメラニン色素の排出も可能なので、そばかすの予防にも有効といえるでしょう。
4-3.レーザー治療
レーザー治療はそばかすの原因であるメラニン色素に反応するレーザー光を肌に照射して、そばかすの改善を促す治療法です。
レーザー光はメラニン色素にだけ反応するため、周囲の皮膚に大きな影響を及ぼしません。治療に使われるレーザー光にはいろいろな種類がありますが、その中でもレーザートーニングは痛みが軽度でノーダウンタイムのため、そばかすだけでなく肝斑にも有効な治療です。
レーザートーニングについては次で詳しく解説します。
5.そばかす治療のおすすめはレーザートーニング
そばかす治療の一つにレーザートーニングがあります。レーザートーニングは肝斑にも有効な治療ですが、どのような治療なのでしょうか。ここではレーザートーニングについて解説します。
5-1.レーザートーニングとは
レーザートーニングとは、そばかすや肝斑の改善が期待できるレーザー治療です。レーザートーニングは一般的なレーザー治療よりも弱い出力で行うため、メラノサイトを刺激せずにメラニン色素を少しずつ減らし、そばかすを改善するのが特徴です。
また基本的にレーザー治療は肝斑を悪化させる恐れがありますが、レーザートーニングは肝斑の治療が可能です。
5-2.施術の流れ
施術を受ける際はまず医師のカウンセリングが必要です。シミや肝斑そばかすなどの症状を確認し、症状によっては、施術前後の内服薬やスキンケアを併用した指導などを行います。
施術はシミや肝斑などの気になるエリアに照射する場合もあれば、顔全体に照射する場合もあります。施術時間は5分から10分ほどで終了です。施術は軽い痛みを伴いますが、我慢できる程度であることが多いです。
施術後は赤みを抑えるため冷却し、肌の保湿を行います。
5-3.施術後の注意点
レーザートーニングは施術後に軽度の赤みや乾燥、かゆみ、一時的なニキビなどの症状が出る場合があります。これはレーザー治療による反応であり、1週間程度で落ち着いてくるので問題ありません。また施術後は肌が敏感になっている状態のため、紫外線対策はしっかりと行うことが大切です。肌の乾燥にも注意が必要ですので、保湿は入念に行うようにしてください。
レーザートーニングは一度の施術で終了ではなく、複数回の施術で少しずつ症状を改善していく治療のため数回の通院が必要となります。
5-4.レーザートーニングのメリット
レーザートーニングのメリットは、いろいろな肌悩みの改善ができることです。
シミやそばかす、肝斑の改善だけでなく、毛穴の開きや肌のくすみなどにも効果が期待できます。シミやそばかす、肝斑などの症状が合わさった複合的な状態にも効果が期待できるので、症状に悩んでいる人におすすめの治療といえます。
また施術時間が短く、ダウンタイムがほとんどないところもメリットの一つです。一般的なレーザー治療は施術後に治療部位の保護が必要ですが、レーザートーニングは保護が不要で、肌に痛みや赤みなどの症状がなければ施術当日からメイクが可能です。
6.まとめ
そばかすには様々な原因がありますが、正しいセルフケアを行うことで発生・悪化を予防できることもあります。ただし消したいそばかすがあるなら、医療機関での治療を検討しましょう。レーザートーニングはそばかすにおすすめの治療法です。そばかすが気になるという人は医師に相談してみてください。
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