シワ・小ジワ

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【医師監修】若いのに首のシワが深い原因とは?メカニズムや対処法も解説

監修医師:土屋 すなお 先生(すなおクリニック 院長 / 形成外科専門医)

シワと聞いて、30代頃から目立ちはじめるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。実は若くてもシワができることがあります。特に首のシワは日常生活の習慣が強く影響することから、年齢とは関係なくできてしまうケースも珍しくありません。

そこで今回は、若いのに首のシワが深くなる原因やメカニズム、対処法などについて詳しく解説します。

監修医師:土屋 すなお 先生(すなおクリニック 院長/外科医・皮膚科医)

首のシワができるメカニズム

首のシワができる要因には、加齢や紫外線による皮膚の菲薄化とたるみ、姿勢、遺伝、生活習慣、乾燥、皮下脂肪のつきすぎ、皮下脂肪の減少、広頚筋の緊張の増加など様々なものがあります。このため首のシワが深くなるのを防ぐには、さまざまな要因に対処しなければなりません。

若くても首にシワができる理由

首のシワは大きく「縦ジワ」と「横ジワ」、小じわ(ちりめんジワ)に分類され、次のような原因が加わると、若くても目立つようになることがあります。

日常の動作の影響

若い世代でも首にシワができる理由の一つとして考えられるのは、シワを生じさせる動作を日常的に行うことです。特に、スマホ操作やデスクワークなどの習慣によってうつむく機会が増えると、首に横ジワが入りやすくなります。

特に若い世代ではデジタル機器の使用が増えているため、このような姿勢が日常的に続くことによるシワに注意するようにしましょう。

ほかにも、デスクワークや高さの合わない枕を使った睡眠なども首のシワを深くする姿勢だと言えます。長時間同じ姿勢を続けると首の筋肉が固まって血行が悪くなり、首の皮膚に必要な栄養が行き渡りにくくなります。すると弾力性が低下し、シワが生じやすくなる可能性があります。

皮脂や筋肉量が少ないため

一般的に、首は皮脂や筋肉量が少ないことも、若い年齢で首にシワができやすい原因として挙げられます。首は、顔や背中に比べて皮脂が出にくく、また筋肉が少ないため、非常にデリケートで乾燥しやすい部位だとも言えます。

皮脂は肌の乾燥と外部刺激を抑えるためのバリアとして機能するため、皮脂が少ない首は乾燥しやすく、その結果としてシワが生じやすくなるのです。

体質や遺伝の可能性もあり

首のシワには、体質や遺伝的な要素が影響を与えている可能性も考えられます。これらの要因が組み合わさることでも、シワができやすくなります。

例えば、アトピー肌の方は皮膚が特に敏感で乾燥しやすいため、早い年代でシワが現れる確率が高くなることがあります。これを防ぐには、適切な保湿ケアや医師の指導による管理が必要です。

肥満も首にシワができる要因となります。肥満に伴う体重の増加や脂肪の蓄積は、首の周りにたるみを生じさせ、皮膚にシワを寄せてしまいます。このような方では、バランスの取れた食事や運動による体重管理が求められます。

生まれつきの乾燥肌の方の場合は、保湿機能が低い傾向があるため、首の皮膚が乾燥しやすくなってシワが早期に現れることがあるでしょう。

若いのにできた首のシワを放置する問題点

若い年齢で首にシワが現れ、これをそのまま放置した場合、年を重ねると共にますますシワが深くなる可能性があります。首のシワは、実年齢よりも老けた印象を与えかねません。また、首は顔のすぐ下の目につきやすい部位のため気にする方が多く、首のシワをコンプレックスに感じてしまうと、首元が隠れる服ばかり選んでしまう、ということもあるでしょう。しかしこのような衣服は首の肌に摩擦を起こす原因となり、さらにシワを深くするという悪循環になることも可能性としてあり得ます。

若いうちからケアを始めれば、首のシワをこれ以上深くさせないようにしたり、ある程度改善したりすることにもつながります。

首のシワが深くなる原因

首のシワが深くなる原因は、顔などにシワができる原因と共通しています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

加齢

加齢により皮膚の組織や成分のバランスが変化すると、首のシワが形成されやすくなります。この現象は年齢を重ねるごとに進行していきます。

乾燥

乾燥は、主に肌の表皮に対して影響を与えることで首のシワを深くしてしまいます。表皮の一番外側に位置する角層と呼ばれる層には、複数の角質細胞が積み重なっています。この角質細胞と角質細胞を結合させているのが角質細胞間脂質です。

肌が乾燥すると角質細胞間脂質が不足し、肌細胞の層が崩れはじめます。その結果、いわゆる「キメ」が粗い状態となり、シワが生じやすくなります。乾燥の主な原因は、エアコンや外気の空気の乾燥、保湿不足、洗浄力が強すぎる石けんやボディソープの使用などです。

摩擦

首のシワが深くなる原因の1つに摩擦が挙げられます。特に、マフラーやタートルネックなどの衣服による摩擦は、首の皮膚にダメージを与える可能性があります。

首の皮膚はほかの部位に比べて薄くデリケートであり、外部からの刺激に対して敏感です。マフラーやタートルネックのような首元を覆う衣服は、直接肌に触れるために摩擦が生じます。これにより首の表皮がこすれ、細かなダメージが蓄積されていくことで肌の健康にも悪影響を与える可能性があることが、シワの原因だと考えられます。

紫外線

日常的に受けている紫外線も首のシワが深くなる原因です。紫外線の種類にはUV-AとUV-B、UV-Cがあり、地表に到達する紫外線の大部分はUV-Aです。UV-Aは肌の表皮を通り越して奥まで入り込む性質があるため、真皮に存在する保湿成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などにダメージを与え、シワができやすくなります。

また同時に、コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞が影響を受けることも、肌の弾力低下につながります。

姿勢の問題

前かがみの姿勢が続くと首の横シワができた状態が癖になり、そのまま残りやすくなります。この姿勢はスマートフォンやパソコンの使用時に起こりやすいため、普段から一定時間ごとに姿勢を変えるなど、対策を意識しておきましょう。このほか、前かがみの姿勢を長時間続けると、血行不良や筋肉の凝りを引き起こす原因にもなります。

自己流のマッサージ

間違ったマッサージ方法を続けることでも、シワが増加する可能性があります。例えば、肌が乾燥している状態で行う、力を入れ過ぎる、などが挙げられます。首の皮膚は非常にデリケートで薄いため、摩擦によって皮膚のバリア機能が崩れ、水分が失われやすくなります。マッサージだけで首のシワを解消するのは難しいので、行う場合はできるだけ肌に負担をかけない方法を心がけましょう。

若い頃にできた首のシワを目立たなくする方法

若い頃にできてしまった首のシワは、さらに深くなることがないように、次の方法でできる限り改善させることが大切です。

保湿する

洗顔後、顔に使用している化粧水や保湿剤を少し多めに取り、首まで優しくなじませるようにしましょう。これにより首の乾燥を防ぎ、シワの進行を抑えることができます。

室内の乾燥も首のうるおいに大きく影響します。加湿器を活用して室内の湿度を適切に保つことも有効です。特にデスクワークが多い場合は、卓上用の小型加湿器を使うことをおすすめします。

紫外線対策をする

日常的に日焼け止めを使用し、顔と同じく首にも丁寧に塗布することが重要です。また、日傘やスカーフを活用して紫外線から首を守りましょう。紫外線は1年中降り注いでいるため、年間通して紫外線ケアを怠らないことが大切です。

自分に合った枕を使う

首のシワができる一因として、枕が合っていないことが挙げられます。枕が高すぎたり低すぎたりすると首に負荷がかかり、皮膚が寄ってシワができやすくなります。首と肩のカーブを支えてくれる形状で、自分に合った高さの枕を選びましょう。

美容クリニックで治療を受ける

上記の方法で期待していたほどの改善が見られなかった場合、美容クリニックでシワを目立たなくしたり解消したりするという選択肢もあります。主な治療法を紹介します。

ヒアルロン酸注射

ヒアルロン酸注射は、体内にも存在する保湿成分であるヒアルロン酸を首のシワに注入し、ふっくらとさせることで目立たなくする方法です。効果を維持するためには定期的に注射を打つ必要がありますが、皮膚を切る必要がないためダウンタイムが内出血程度と軽めであり、日常生活にすぐに戻ることができます。

超音波治療

超音波治療は、超音波エネルギーによって皮膚の一定の深さにピンポイントの熱を加え、コラーゲンやエラスチンの生成を促すことでたるみやシワを改善する方法です。

熱エネルギーを与えるといっても肌の表面を守りながら内部だけに熱を与えるため、ダウンタイムはありません。定期的に受けることで高いシワ改善効果が期待できます。

マッサージピール

マッサージピールは高濃度トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素(H2O2)を配合した薬剤を使用し、マッサージしながら肌に塗る施術です。

コラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を増やす因子を活性化させることで、結果としてたるみやシワの改善につながる可能性があります。

まとめ


首のシワは乾燥や紫外線、姿勢の問題など、さまざまな要因によって深くなります。これらの要因を解消することで、シワができる進行速度を抑え、実年齢よりも若く見える肌を維持できるかもしれません。すでに刻まれた首のシワの改善には、ヒアルロン酸注射や超音波治療などが有効であることも多いので、気になる方は美容クリニックでの治療を検討してみるのもいいでしょう。
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