切らないワキ汗治療

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【医師監修】腋窩多汗症(ワキの多汗症)の治療法とは?具体的な方法・効果・リスクを解説!

監修医師:花房 崇明 先生(千里中央花ふさ皮ふ科 理事長・院長 / 皮膚科専門医)

腋窩(えきか)多汗症は、いわゆる「ワキの多汗症」のことです。ワキの多汗症に悩まされている方は、早めに医療機関で治療を受けましょう。ここで気になるのが、治療法の種類やそれぞれの効果、方法、リスクではないでしょうか。ここでは、ワキの多汗症の治療法について詳しくご紹介します。

監修:花房 崇明 先生(医療法人佑諒会 千里中央花ふさ皮ふ科 院長)

 

塩化アルミニウムを塗る

 

塩化アルミニウムを塗る方法は、多くの医療機関で行われている治療法です。

方法

10~35%の塩化アルミニウム溶液をワキに塗ります。通常、1日1回就寝前に塗りますが、日中に追加で塗っても問題ありません。なお、こちらのお薬は処方箋では出せず、院内で調合、関連の調剤薬局などで調合、あるいは市販薬を購入する必要があります。

効果

2~3週間続けることで汗の分泌が減ることが期待できます。ただし、塩化アルミニウムは根本的な治療法ではないため、継続的に使用する必要があります。

副作用

皮膚のかぶれやかさつきがあらわれることがあります。症状がひどくなった場合は使用を中止し、お医者さんに相談しましょう。

ソフピロニウム臭化物を塗る

新しく保険適用となった処方薬です。

方法

2020年9月に製造販売が承認されたばかりの保険適応の塗り薬、ソフピロニウム臭化物を1日1回塗ります。

効果

2週間程度続けることで汗の分泌が減ることが期待できます。ただし、ソフピロニウム臭化物は根本的な治療法ではないため、継続的に使用する必要があります。

副作用

皮膚のかぶれやかさつきがあらわれることがあります。症状がひどくなった場合は使用を中止し、お医者さんに相談しましょう。また薬を触った手で目を触ると、ものが眩しく見えてしまったり、口を触ると口が渇く場合があります。

ボツリヌス製剤の注射

 

ボツリヌス製剤の注射とは、A型ボツリヌス毒素をワキに注射する治療法のことです。

方法

ワキにA型ボツリヌス毒素を注射します。注射したところにだけ効果があらわれるため、片ワキで十数カ所に注射します。

効果

A型ボツリヌス毒素が発汗を促す指令を伝わらなくすることで、汗の分泌を抑える効果が期待できます。注射から2~7日ほどかけて効果があらわれ、3~6ヶ月持続します。効果は永続的ではないため、定期的に治療を受ける必要があります。

副作用

注射部位の腫れ、発赤、内出血などが起こる場合があります。ただし、長くても1ヶ月以内に改善することが多いため、大きな心配はありません。

臭化プロバンテリンの服用

臭化プロバンテリンを服用して、汗の分泌を抑える治療法です。

方法

ワキの多汗症と診断され、医師の判断で処方された臭化プロバンテリンを服用します。医師の指示に従って、用法用量を守って服用しましょう。

効果

筋肉を活発に動かすアセチルコリンの作用を抑えることで、汗を分泌しにくくします。内服をやめると汗の量が元に戻るため、継続的に服用する必要があります。

副作用

汗だけではなく唾液の分泌まで抑えられることで、口が渇く場合があります。口の渇きがひどい場合は、減薬や別の治療法に切り替えるなどの対処が必要です。また服用中は、眠気が出ることがあるので、車の運転などはできません。

マイクロ波治療器を用いた切らないワキ汗治療

マイクロ波治療器で汗腺にダメージを与える治療法です。

方法

汗を分泌する汗腺にマイクロ波を照射して、熱によるダメージを与えます。外科手術とは異なり、皮膚を切らずに多汗症を治療できます。

効果

汗腺にダメージを与えることで、発汗機能の低下が期待できます。効果の持続期間が長いことが特徴です。

リスク

外科手術と比べて軽度であるものの、術後は多少の腫れや内出血があらわれます。

胸部交感神経遮断手術

 

汗の分泌に関わる交感神経を切除する治療法です。

方法

汗の分泌は、自律神経の1つ「交感神経」によって促されます。発汗に関わる交感神経を外科手術で切除します。

効果

交感神経を適切に切除することで、汗の分泌が減少、あるいは止まることが期待できます。

副作用

術後は、ワキ、手のひら、顔面、頭部の発汗は減る反面、それ以外の部位の発汗が増える、代償性発汗と呼ばれる発汗が見られる場合があります。

汗腺を取り除く手術

直視下摘除法や皮弁法、剪除法と呼ばれる治療法です。

方法

ワキのしわに沿って皮膚を切開し、皮膚を裏返して目視でエクリン腺とアポクリン腺をメスや手術用のハサミを使って除去します。

効果

汗を分泌する汗腺を除去するため、成功すれば汗の量が減少します。効果が高く、持続期間も長い方法ではありますが、多汗症が再発しないとは限りません。

リスク

皮膚を切開するため、術後に麻酔が切れたときの痛み、赤み、腫れ、内出血などがあります。また、縫合するため、医療機関でのガーゼ交換と抜糸が必要です。手術した側の肩関節をバンドで1週間ほど固定するため、その間の生活が制限されます。また、両側を同時に手術する場合は入院が必要な場合もあります。

まとめ

ワキの多汗症の治療法は、それぞれ効果やリスクが異なります。ワキの汗が多くて悩んでいる方は、まずは医療機関を受診しましょう。多汗症と診断されたら、医師と話し合ったうえで、自分にとって最適な治療法を選ぶことが大切です。どのような治療法にもリスクはあるため、医師の話をよく聞いて慎重に判断しましょう。

ワキの多汗症については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

【医師監修】ワキの多汗症とは?症状・原因・対策を徹底解説!

 

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