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多汗症とは

原因やメカニズムを正しく知り、適切な対処法を見つけましょう。

多汗症とは

多汗症は、エクリン汗腺から日常生活に支障をきたすほどの大量の汗をかく状態のことをいいます。
多汗症と診断された患者のエクリン汗腺は、健常な人と比べて、汗腺の数や大きさなどに差は無く、
汗腺の発汗機能亢進(汗の出る働きが強い状態)と考えられています。
多汗症とワキガは区別されますが、同時に生じることもあります。

CAUSE

多汗症になる要因

自律神経の働き

体温調節や緊張に関わる自律神経のバランスが乱れることで、必要以上に汗が出るようになる

病気や薬の影響

まれに、他の病気や服用している薬の影響で汗が増えることがある
TYPE

多汗症の種類

多汗症には、特定の部位の汗が増える「限局性多汗症」と全身の汗が増える「全身性多汗症」があります。
さらに、明らかな原因が存在しない「原発性」と、何らかの病気や使用している薬が原因となる「続発性」に分けられます。

タイプ01

原発性局所多汗症

明らかな原因がないまま、特定の部位に過剰な発汗がみられるタイプ

特徴
  • 原因が特定できない
  • 特定の部位(ワキの下、手のひらや足の裏、額など、汗腺が密集している部位)に症状が出やすい
  • 思春期頃から発症することが多い
  • 左右対称に発汗する
  • ストレスや緊張、不安によって悪化する
  • 眠っている間は発汗が止まる
  • 思春期頃から発症することが多い
タイプ02

続発性局所多汗症

他の病気や薬などが原因で、特定の部位に過剰な発汗がみられるタイプ

特徴
  • 他の疾患(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)や
    薬剤が原因
  • 発汗部位が左右非対称になる
  • 夜間も発汗が続く
  • 原因となる疾患の治療が優先
タイプ03

原発性全身性多汗症

明らかな原因がないまま、全身に過剰な発汗がみられるタイプ

特徴
  • 原因が特定できない
  • 全身に発汗する
  • 暑いときや運動したときだけでなく、
    何でもないときにも汗が出る
  • ストレスや緊張、不安によって悪化する
  • 眠っている間は発汗が止まる
  • 多くは25歳以下、または思春期頃から発症する
タイプ04

続発性全身性多汗症

他の疾患や薬剤が原因で、全身に過剰な発汗がみられるタイプ

特徴
  • 他の疾患(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)や
    薬剤が原因
  • 全身に発汗する
  • 原因となる疾患の治療が優先
SELF CHECK

セルフチェックポイント

以下の項目に複数該当する場合、腋下多汗症(ワキの多汗症)の可能性があります。確実な診断は医療機関にご相談ください。

洋服編

  • グレーなどの服はワキ汗が目立つので着られない

  • ワキ汗パッドが手放せない

  • ワキ汗が多くて、着替えを持ち歩いている

日常生活編

  • ワキ汗が気になって腕を上げられない

  • 1日に何回も制汗剤を使う

  • ワキ汗が気になって集中できない

  • 季節を問わず、ワキ汗をかく

  • ワキ汗がにおっていないか、気になる

※自覚症状によるセルフチェックです。確実な診断は医療機関で行います。

上記の項目に複数該当する場合は、皮膚科や形成外科を受診しましょう。

DIAGNOSIS

診断基準

明らかな原因がないまま、特定の部位に過剰な汗が出る状態が6ヶ月以上認められ、
以下の6症状のうち2項目以上にあてはまる場合は、原発性局所多汗症と診断されます。診断は医師が行います。

  • 項目1

    最初に症状が出たのが25歳以下

  • 項目2

    左右対称に発汗がみられる

  • 項目3

    睡眠中は発汗が止まっている

  • 項目4

    1週間に1回以上、多汗のエピソードがある

  • 項目5

    家族に同様の症状がある

  • 項目6

    日常生活に支障をきたしている

※「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」より

上記の項目に複数該当する場合は、皮膚科や形成外科を受診しましょう。

SEVERITY

重症度判定(HDSS)

Hyperhidrosis Disease Severity Scale ─ 自覚症状により4つに分類されます。
③および④は重症の指標とします。判定は医師が行います。

  • 軽微

    発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない。

  • 軽症

    発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある。

  • 重症

    発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある。

  • 最重症

    発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある。

「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」より抜粋

DIFFERENCE

多汗症とワキガの違い

多汗症 ワキガ(腋臭症)
汗腺の種類 エクリン汗腺 アポクリン汗腺
主な症状 過剰な発汗 独特のにおい
発生部位 全身(特に脇、手、足、顔) 脇、乳輪、陰部、耳の中など限られた部位
遺伝性 不明 高い
保険適用 一部の治療で、適用と認められた場合 手術(剪除法・皮弁法)で、適用と認められた場合

※両方の症状が同時に起こることもあります。

DAILY

日常生活でできる対策

治療と合わせて、日常生活でも工夫できるポイントがあります。

制汗剤の活用

市販の制汗剤は、スプレーやロールオン、パウダー、香り付きなど、種類が豊富で手軽に使用できます。医療機関専売の制汗剤は、持続性が高く、塗り直しの手間を減らせます。

通気性のよい服装

綿や麻、吸湿速乾性のある素材は、汗が乾きやすく、ムレや不快感の軽減につながります。

汗ジミが目立ちにくい色の服装

グレー・ベージュ・薄いブルー(水色)など、濡れると濃い色に変化する薄い中間色は避けて、黒・白・ネイビーなどの濃色や無彩色がおすすめです。

ワキ汗パッドの活用

服に貼るタイプや肌に直接貼るタイプ、パッド付インナーがあります。薄手で目立ちにくいもの、汗じみやニオイを軽減する抗菌・消臭付きのものなどがあります。

食事の見直し

辛いものや酸っぱいもの、カフェイン、アルコールなどは、交感神経を優位にする作用があり、汗をかきやすい状態になります。

ストレス管理

緊張やストレスで汗が出やすい人は、深呼吸や軽いストレッチ、アロマの香りなど、ストレス発散や気持ちを落ちつかせる方法をみつけてみましょう。

腋窩多汗症は医療機関で治療できる可能性があります

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最適な治療法は、
医療機関にご相談を。

多汗症・ワキガは、決して珍しいことではなく、適切な治療で改善が期待できます。
外科手術だけでなく、痛みが少ない、日常生活に負担が少ないなど、様々な治療法があります。
まずは、皮膚科や形成外科などの医療機関で、症状に合った治療法を相談してみませんか?

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