ニキビ・ニキビ痕

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【医師監修】間違った習慣がニキビを悪化させる原因に?ニキビの種類や治療法もご紹介!

監修医師:伊東 秀記 先生(医療法人社団慈泰会 立川皮膚科クリニック 院長 / 皮膚科専門医)

ニキビは幅広い年齢層で起こる肌トラブルの一つですが、原因や治療について意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

今回はニキビの主な原因やニキビになりやすい間違った生活習慣、美容医療で行える治療方法についてご紹介します。

監修:伊東 秀記 先生(医療法人社団慈泰会 立川皮膚科クリニック 院長 / 皮膚科専門医)

1.ニキビとは?

ニキビとは、主に毛穴の詰まりが原因とされています。毛穴の中で細菌が繁殖し、炎症を起こす皮膚の病気で、同じ箇所の炎症を繰り返すことによって、ニキビだけでなくシミの原因にもなります。吹き出物もニキビと同じ病気で、正式には「尋常性ざ瘡」といいます。

ニキビには、10代に多くみられる「思春期ニキビ」と、大人になってからできる「大人ニキビ」があり、できる仕組みはどちらも同じです。また、ニキビの状態は白→(黒)→赤→黄色の順で進行します。症状が進んで悪化する前に専門の皮膚科を受診しましょう。

 

2.ニキビの主な原因

ニキビの原因はさまざまですが、大きく分けて3つの要因があり、それぞれが段階的に進行することで症状の悪化につながります。ここでは、ニキビの主な原因についてお伝えします。

 

2-1.毛穴の詰まり

思春期ニキビと大人ニキビのどちらも、皮脂腺の活発化により毛穴が詰まってしまうことから発生します。さまざまな要因により皮脂や肌の角質などで毛穴が詰まると、毛穴の中でニキビの原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

また、肌の細胞には一定周期で生まれかわるターンオーバー機能がありますが、それが乱れると、毛穴の出口の角層がはがれずに厚くなってしまい、皮脂が毛穴に詰まりやすい環境を作ってしまいます。

 

2-2.皮脂過剰分泌

皮脂は毛穴にある皮脂腺から分泌されるもので、健康な皮膚の状態を保つためには欠かせない存在です。しかし、思春期のホルモンバランスの変化や、刺激物、糖分や脂肪分の多い食生活などで皮脂分泌が活発になり、毛穴を詰まらせてしまいます。

また、女性の場合は、生理や妊娠・出産、更年期障害、閉経などによるホルモンバランスの乱れも、皮脂の過剰分泌を引き起こす要因になります。

 

2-3.アクネ菌の繁殖

皮膚の表面には、たくさんの細菌が住み着いています。その中でニキビの原因となるのはアクネ菌と呼ばれる細菌です。普段は肌を弱酸性に保つなど、肌を守る働きをしています。しかし、アクネ菌は皮脂を栄養源としているため、毛穴に皮脂が詰まってしまうと毛穴の中で過剰に繁殖し、炎症を引き起こすことで赤ニキビを発生させてしまいます。

 

3.ニキビを悪化させる要因

ここまでニキビの原因についてお伝えしてきましたが、なぜこのような症状が起こりやすくなってしまうのでしょうか。ニキビが悪化する原因の多くは、私たちの日常生活に関連しています。ここでは、ニキビを悪化させる原因となりやすい生活習慣などをご紹介します。自身にも当てはまるものがないか確認してみましょう。

 

3-1.栄養バランスの偏り

肌トラブルは、栄養バランスの偏りが原因で起こることが多く、ニキビにも日々の食生活が大きく関わっています。特に糖質と脂質の多い食事は、過剰な皮脂を分泌しやすくします。

逆に無理のある食事制限も、肌が荒れ、ニキビができやすい状態になってしまいます。バランスのよい食事を心がけ、体の内側からきれいな肌を作りましょう。

 

3-2.肌の乾燥

大人ニキビは乾燥した肌にできやすくなります。肌の表面が乾燥すると、肌の潤いを守ろうとして過剰な皮脂を分泌してしまい、毛穴を詰まらせてニキビになってしまうことがあります。

また、乾燥した肌はターンオーバーの乱れが起こりやすく、さらに皮脂が毛穴に詰まりやすい状態に。ニキビを気にして皮脂を取り除きすぎてしまうと、ますます乾燥しやすくなります。ニキビ予防のためにも、毎日のスキンケアで乾燥対策をしっかり行いましょう。

 

3-3.睡眠不足

睡眠不足は、ニキビに限らずさまざまな肌トラブルの原因となりやすいものの一つです。皮膚のダメージを修復してくれる成長ホルモンが分泌されるのは、眠りについてから3時間といわれています。睡眠不足や睡眠の質の低下が続くと、皮膚の修復がうまくいかず肌のターンオーバーが乱れてしまい、ニキビを悪化させる要因となってしまいます。

 

3-4.女性のホルモンバランスの乱れ

生理前になるとニキビができる…という方も多いのではないでしょうか。大人ニキビには、女性特有のホルモンバランスが影響しています。生理前になると女性ホルモンの卵胞ホルモンが減り、皮脂の分泌を促す作用のある男性ホルモンと皮膚を厚くする働きを持つ⻩体ホルモンが活発になります。これらのホルモンバランスの変化により、毛穴が詰まりやすくなりニキビができやすい状態になります。

また、ニキビができやすいのは生理前だけではありません。妊娠・出産、更年期障害、閉経などの要因でもホルモンバランスが崩れ、皮脂の過剰分泌や肌の乾燥が起こり、ニキビの原因となってしまうことがあります。

 

3-5.冷え性

冷え性は、体の血液の循環が滞っていることで起こります。血流が滞ると、肌の細部まで栄養が十分に行き渡らなくなってしまい、健康な肌を作ることが難しくなっていきます。さらに、冷えが続くことで肌の乾燥やホルモンバランスの乱れが起きやすくなり、ニキビだけでなく他の肌トラブルも起こしやすくなります。冷えが気になる方は、毎日の食事に体を温める食材を積極的に取り入れましょう。夏場も冷房で体が冷えすぎないよう、カーディガンやブランケットで調節するとよいですね。

 

3-6.間違った洗顔方法

肌の皮脂を落とそうとして、1日に何度も洗顔していませんか?洗顔しすぎてしまうと、必要な潤い成分まで流れ落ちてしまったり、肌が余計に皮脂を出そうとしたりして、かえってニキビが悪化することがあります。逆に、クレンジングがしっかりできていない場合も、毛穴に残ったメイクがニキビの原因になります。

他にも、タオルや手のひらでゴシゴシとこするような強い刺激も、肌を傷つけて細菌が入り込んでしまうと、毛嚢炎というニキビと似た炎症を起こすことがあります。正しい肌のお手入れができているか、日々のスキンケアにも注意してみましょう。

 

3-7.マスクの着用

最近では、コロナ禍で長時間マスクを着用することが多くなりました。マスクで肌が蒸れたり、擦れたりすることで皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが起きてしまい、ニキビの原因になることがあります。特にウレタンマスクでは、毛穴詰まりが起こりやすく、マスクの素材を見直すこともニキビの改善につながるかもしれません。

 

4.医療機関・美容医療でできる治療法

ここまで、ニキビの原因や悪化させる要因についてお伝えしてきました。ニキビは症状が進行することで、悪化してしまうと、セルフケアが難しく、皮膚科で適切な治療を受けることが大切とされています。ここでは、医療機関・美容医療では、どのようなニキビ治療を受けることができるのかをお伝えします。治療方法によって、保険診療でできること、自由診療となるものがありますので、受けたい治療がある場合は、事前に医療機関に確認すると良いでしょう。

 

4-1.内服薬・外用剤による治療

ニキビ治療は症状に応じて、過酸化ベンゾイルや、レチノイド様作用を有するアダパレン(ナフトエ酸誘導体)、外用・内服抗菌薬、それらの配合剤などを使用します。主にニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑制し、毛穴の詰まりを改善することで、ニキビを改善させていきます。

 

4-2.ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは、グリコール酸(フルーツ酸)やサリチル酸などの薬剤で、皮膚の表面や毛穴部分の角質を剥離させる治療です。不要な角質を取り除くことで、肌のターンオーバーを促して治療を行います。また、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌、皮脂分泌の抑制、毛穴の詰まりの改善も促すとされています。凸凹した赤みのあるニキビの場合は、ケミカルピーリングを行い、その後の適切なスキンケアを継続することで、ニキビ肌が少しずつ改善する効果が期待できます。

 

4-3.光線療法

ニキビ治療には、LEDやIPL、レーザーなどの光線治療が用いられます。光の色によって効果が異なり、青い光にはポルフィリンを介したアクネ菌の殺菌作用、赤い光には炎症や赤身を抑える抗炎症作用があり、症状や治療段階など目的に応じて使い分けられます。顔全体に穏やかな光を当てるLED治療や、炎症を起こしている部分に強い光を当てるIPL・フラッシュランプ治療は、肌への負担が少なく、治療後すぐにメイクができるという特長があります。

ニキビについては、こちらの記事でも紹介しています。

【医師監修】ニキビ痕(ニキビ跡)を治すには?原因や治療について知ろう!

 

ニキビの主な治療方法一覧はこちら>>

https://hajimete-biyou.jmec.co.jp/cause7.html

 

5.まとめ

いかがだったでしょうか。ニキビは、生活習慣や間違ったスキンケアなどで悪化してしまうことがあります。ニキビ痕を残さないためにも、悪化する前に早めに専門の皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。日々の生活習慣も見直しながら、正しい治療を行ってニキビができにくい肌を目指しましょう。

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