切らないワキ汗治療

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【医師監修】多汗症とは?症状・原因・治療法・セルフチェックを解説!

監修医師:長島 史明 先生(ながしま形成外科クリニック 院長 / 形成外科専門医)

全身、または脇や手のひら、足の裏など部分的に大量に汗をかく方は、多汗症の可能性があります。単なる汗っかきなのか、多汗症なのか迷う方もいるでしょう。ここでは、多汗症の特徴や症状から、原因、治療法、セルフチェックまで詳しくご紹介します。

監修:長島 史明 先生(ながしま形成外科クリニック 院長)

多汗症って何?

 

 

 

まずは、「汗が出る仕組み」について確認していきましょう。

人が生命を維持するには、体温をある程度一定に保つ必要があります。発汗は、上がった体温を元の体温に戻すために起こる現象です。汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」があります。体温が上昇すると、全身の皮膚にある「エクリン腺」から汗が分泌されます。そして、汗が蒸発するときに身体の熱を奪って体温を下げるのです。

多汗症とは、「体温を下げるための汗」が必要以上に分泌されている状態を指します。後で説明する様々な要因によって、エクリン腺の働きが活発になって、必要以上に汗が分泌されるのです。

なお、アポクリン腺から出る汗は体温調節には関係がありません。

汗の仕組みについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。

多汗症の症状

多汗症には、全身から多量の汗が出る「全身性多汗症」と、手のひらや足の裏、脇などの局所に多量の汗をかく「局所性多汗症」があります。

汗をかくタイミング、頻度、量などには個人差があるため、まずはご自身の多汗症の特徴を把握することが大切です。

多汗症の原因

多汗症の原因は、「全身性多汗症」と「局所性多汗症」で異なります。全身性多汗症は、「運動や高温の環境、発熱など身体が温まる要因」、「更年期障害や糖尿病、パーキンソン病などの病気」、「非ステロイド系抗炎症薬、睡眠導入薬、向精神薬などの副作用」が原因といわれています。

ただし、原因がわからない「原発性発汗」と呼ばれるタイプもあります。

局所性多汗症の原因は、「精神的な緊張」、「辛いものを食べた」、「皮膚の病気」などです。特に、精神的緊張によって症状が現れやすいといわれています。

そのほか、手のひらと足の裏以外の多汗症は、神経疾患が原因のケースが多いといわれているなど、症状によって特徴が異なります。

多汗症の原因は、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

多汗症の原因とは?全身性・局所性に分けて詳しく解説!

多汗症の治し方

多汗症は、セルフケアでは改善が期待できません。医療機関で適切な治療を受けることで、症状が改善する可能性があります。それでは、「受診する診療科」、「治療法の種類」について詳しくご紹介します。

何科を受診すればいいの?

多汗症の治療は、皮膚科や形成外科で行っていることが多いため、これらの診療科への受診を検討しましょう。ただ、神経疾患や内分泌疾患などが原因の場合があるため、全身性多汗症を疑うときは「神経内科」や「内分泌内科」を受診してもよいかもしれません。

皮膚科や形成外科で全身性多汗症や局所性多汗症の診断を受けてから、原因を突き止めるために別の診療科を紹介される場合もあります。どの診療科を受診するか迷うときは、多汗症の治療を行っているかどうか問い合わせたうえで、皮膚科や形成外科を受診しましょう。

多汗症の治療法

 

多汗症の治療法には、「薬物療法」、「ボツリヌス注射」、「イオントフォレーシス」、「マイクロ波治療」、「交感神経遮断術」などがあります。

薬物療法

汗腺をふさいで物理的に汗の分泌を抑える「塩化アルミニウム液」の塗布、「臭化プロパンテリン」や「オキシブチニン」、「コハク酸ソリフェナシン」などの内服薬の服用があります。そのほか、多汗症の症状次第では、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)や竜胆潟肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、大承気湯(だいじょうきとう)などの漢方薬が使用されることもあります。

ボツリヌス注射

ボツリヌス菌の毒素を注射して、発汗を促す指令を伝わらなくすることで、汗の分泌を抑える治療法です。効果を維持するには、定期的に受ける必要があります。

イオントフォレーシス

水を貯めた容器に、汗の分泌が多い手のひらや足の裏を入れ、20mAの電流を約30分流す治療法です。効果を維持するには、定期的に受ける必要があります。

マイクロ波治療器

エクリン腺にマイクロ波を照射して、熱ダメージを与えることで発汗機能を低下させる治療法です。皮膚を切らないため、傷跡が残る心配もありません。

交感神経遮断術

交感神経が活発に働くことで汗の分泌が増えている場合があります。交感神経遮断術は、胸部の交感神経を切除したり焼いたりする外科治療です。

どの治療法がいいの?

どの治療法を適用するかは、「本人の希望」、「症状」、「全身性多汗症or局所性多汗症」、「薬の使用の可否」などで異なります。まずは、医療機関を受診して、診断を受けることが先決です。

治療の必要性が認められた場合は、医師と話し合って、最適な治療計画を立ててもらいましょう。

多汗症の治療法は、また別の記事で詳しく解説しますので、ぜひチェックしてくださいね。

多汗症のチェック方法

汗が大量に出て、「もしかして多汗症かも?」と思った場合は、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか。原因不明の大量の発汗が長期間続いていたり、脇の汗ジミが常に目立ったりする場合は、多汗症の可能性があります。

「多汗症を疑うべき症状がどの程度のレベルで現れているか」を確認することで、多汗症の可能性を確認できます。

多汗症のセルフチェックの方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

多汗症のセルフチェック方法とは?症状レベルと医療機関での検査方法

まとめ

多汗症は、全身性多汗症と局所性多汗症に分類されます。いずれの場合も、大量の汗によって仕事や日常生活に支障をきたす恐れがあるため、早めに治療を受けることが大切です。セルフチェックによって、多汗症の可能性が高いことがわかったら、皮膚科や形成外科、神経内科、内分泌内科などを受診しましょう。

ワキ汗に関する情報は、こちらのページで紹介しています。
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